遊び心いっぱい&自由な解釈で楽しむメキシカン!『PERROS PERRAS』の魅力に迫る!

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右が店主の通称マスさんこと玉城祥也さん、左が通称タツさんこと富塚龍一さん

4/21に元代々木町にグランドオープンしたメキシコ料理とテキーラを楽しめるお店「PERROS PERRAS(ぺロス ぺラス)」にお邪魔してきました。プレオープン時より、“ちょっと変わったメキシカンが楽しめるお店”として話題になっていたのですが、実際行ってみると、想像以上に独創的でオリジナリティ溢れるお料理がいっぱいでした!まさにイノベーティブ・フュージョン!

さらに、個人的にテキーラが好きなこともあり、わくわくは募る一方。日本人はテキーラに悪いイメージを持ちすぎて怖がる人が多いことから、テキーラの良さを啓蒙したいと一人思い続けていたので、期待は高まるばかりでした。

「PERROS PERRAS」の魅力に迫るべく、店主の通称マスさんこと玉城祥也さんと、通称タツさんこと富塚龍一さんにお話を伺ってきました!

なぜタコス?なぜメキシカン?

実は、この「PERROS PERRAS」は代々木上原で人気の和食店「鰾(うきぶくろ)」の新業態のお店なんです。マスさんもタツさんも、少し前まで鰾にいらっしゃいました。鰾からメキシコ料理って、とても意外だったので、その成り立ちを聞いてみましたよ。

マスさん、楽しそうに語ってくれました!

マスさん:
「最初は、”上原にメキシカンないよね?”っていうところから始まって、じゃあやりましょうかと。たまたま僕の周りにメキシコ料理系のつながりがあって、やってみようかっていうことになったんですよね。」

富ヶ谷新聞:
「全く抵抗なく、すんなりとスタートできた感じですか?」

マスさん:
「イメージはしてたんですけど、全く経験がないところから始めたわりにはすんなり行けたかなぁとは思います(笑)。」

そう語るマスさんは、鰾ではもちろん和食の料理人でしたが、キャリアのスタートはタイ料理屋さんだったのだそう。以前ご紹介したウータン食堂の牧野さんともその頃からのお知り合いだそうです。すごい縁!そして、タイ料理店を退職した後に、縁があってお客さんとして行っていた鰾で働くようになり、5年程勤めて今に至るそうです。

スタイリッシュに個性的なテキーラやメスカルが並びます。

富ヶ谷新聞:
「メニュー開発は全部マスさんが担当されているんですか?」

マスさん:
「そうですね。全部基本的には僕がやっていて、最初試作の時はハルダモンカレーのハルさんと一緒に作りながらやってたんです。一応ハルダモンカレー監修というか、コンサルで入ってもらってて。特にビリアっていう煮込みはハルダモン監修で、現地ではヤギとかで作るんですけど、うちはヤギが入らないからマトンでやってます。現地の本格的なビリアを意識しつつ、オリジナルも意識して…。」

富ヶ谷新聞:
「なんと、ハルダモンカレーさんも関わっていたんですね!それはますます期待大!私は以前、メキシコ人が作ったヤギのビリアを食べたことがあるんですけど、クセがすごいのでマトンのが日本人の口には合うと思います(笑)。」

この日、取材の後にビリアの仕込みをするというので見せてもらえるか聞いてみました。ところが、秘密ではないけど、とにかく仕込みの工程に細かい作業が多くて大変らしく、話しながらできるような感じでもなさそうだったので断念。それだけ、手間暇かけてつくられているようです。大体できあがるまでに3時間ほどつきっきりでかかるとのことでした。

「PERROS PERRAS」とはスペイン語で「犬」を意味する言葉で、お店の名前の由来は、みんなで何にしようか考えていた時に、ちょうど鰾のご主人が犬を飼い始めたタイミングだったことから決まったのだとか!わんちゃんOKで、わんちゃんが座れるイスもあります!
こちらのオブジェは、以前この場所にあったお店のものだそうです。長年この場所で愛されてきたお店へのリスペクト!

富ヶ谷新聞:
「いつ頃からメニュー開発を始められたんですか?」

マスさん:
「ビリアは元々ハルダモンカレーのハルさんから「ビリアどう?」っていう話があって、決まったのが1月くらいですかね。そのくらいの時期から、都内のメキシコ料理の店に何店舗か参考というか、研究に行きつつ、アイデアを出しながらオリジナルのメニューが少しずつ増えてきた感じです。

有名なお店から知り合いの店まで行ってみたんですけど、あまりオーセンティックなメキシカンだと、トウモロコシが強すぎて飽きちゃう気がして、うちは少し違う路線で行こうと方向性が見えてきましたね。もちろんトウモロコシもとてもおいしいんですけど、本場の味には敵わないし、だったらうちは別の路線で勝負しようと。邪道な感じで(笑)。」

富ヶ谷新聞:
「邪道では全然ないと思いますけど(笑)。プレオープンの時にいただいた印象だと、オリジナリティがあるというか、他にない感じですよね。」

マスさん:
「そうそう。最初はTex-Mexをイメージしてたんですよね。」

富ヶ谷新聞:
「確かに、最初はこの場所にTex-Mex屋さんができるという噂を耳にしました。」

ちなみに、Tex-Mex(テクス・メクス)とは、メキシコと国境を接するアメリカ合衆国のテキサス州の名物料理で、テキサス風メキシコ料理という感じです。テキサスに限らず、北米ではわりと広く親しまれています。

とてもスタイリッシュな雰囲気です。以前この場所にあったお店もアメリカンでウェスタンな内装だったので、Tex-Mexっぽかったのですが、随分雰囲気が変わりました!

マスさん:
「そうそう、でもそこからどんどん崩れて、面白い方向に変わっていったかな(笑)。インスピレーションがあったものをヒントに、お酒に合うものっていうところを意識して考えています。似たような味にならないように、バランスを考えて飽きないおつまみを作ってるっていう感じかな。」

ちょっと変わったタコスがおいしすぎる!

タコスはテイクアウトもできます!
具沢山で食べ応え抜群なタコスメニュー。コスパいいですよ!

富ヶ谷新聞:
「沖縄フュージョンみたいなのもありますよね?そういえば、マスさんは沖縄のご出身でしたね。」

マスさん:
「そうですね。うちは沖縄のタコス生地を使っています。すごく特徴的な生地で、この辺で食べられるところはないんじゃないかな?」

富ヶ谷新聞:
「確かに、こちらのタコスの生地は食べたことがないような感じでした!沖縄ではタコスを食べたことがないですけど、金武とかベースのあるところにはタコス屋さん多いですもんね。」

マスさん:
「僕の出身の北部にはあまりタコスはなくて、僕が中南部に居た頃に時々食べてたんですよね。それを思い出して、さっきも話しましたけどコーンのトルティーヤもおいしいけどコーンが強すぎて飽きちゃうし、あえてトウモロコシがミックスされているフラワートルティーヤ(小麦のトルティーヤ)を選びました。

この生地は沖縄から直接取り寄せてて、揚げてるんです。軽く油に通すと、外はカリっとして、中はモチっとするんですよね。そして、油とテキーラが良く合う!タコスは何乗せてもいいから、今後は日替わりみたいな感じでやっていきたいなと考えてます。」

揚げる前の沖縄タコスの生地はこんな感じ。
揚げていくとどんどんふくらみます。

都内の本格的なメキシコ料理では、自家製のコーントルティーヤ(トウモロコシのタコス生地)が多いんです。それも、カラフルでフォトジェニックな映えるやつとか!そんな中、あえてヒネりのある、もっとおもしろいオリジナルで勝負したいとマスさんは語ってくれました。

今回は、そんな自慢のタコスを2種類、ビリアタコスと沖縄タコスをつくっていただきましたよ!

手前がメキシコの煮込み料理ビリアのタコス。奥が沖縄タコス。

マスさん:
「ビリアタコスは、ビリアスープにタコスをダンクして食べてください。沖縄タコスには、このサルサを乗せて。」

富ヶ谷新聞:
「ソースが別添えでくるのもおもしろいですね!」

このタコスが本当においしくて、テキーラが欲しくなります。もちろん、お酒が苦手な人にも楽しんでもらえる本当においしいタコスです。この日、取材に富ヶ谷新聞の編集長も同行していたのですが、あまりのおいしさに終始悶絶感動していました。

ビリアを食べたことがない方は必食です!新しい体験になること間違いなし。

日本ではあまり見かけることのないビリアは、スパイス感のある奥深い味わいです。ホロホロのマトンにタマネギのシャキシャキ感とパクチーがアクセント!エスニック料理やスパイス料理が好きな方におすすめ。

沖縄タコスは、フレッシュなレタスとトマトでサッパリ!ピリっとハラペーニョがきいたサルサがよく合います。

マスさん:
「メニューにタコスの皮っていうのがあって、生地だけでも注文できるんです。その生地に好きな他のつまみを乗せて自由に楽しんでもらいたいですね。パパマイスを乗せてもいいし、ワカモレ乗せてもいいし。ビリアのスープが余ったら、皮を追加してもらってもいいし。」

こちらがパパマイス。コーンと軽めのマッシュポテトがテキーラにピッタリ。
こちらは牡蠣のセビーチェ。何個でも食べられそうです!

富ヶ谷新聞:
「生地も食べ応えがあるし、大き過ぎず、小さ過ぎず、ちょうどいいサイズ感ですよね。それでいて具沢山で満足度が高い!これで一つ550円なのは超リーズナブルだと思います!」

マスさん:
「タコスなんて、そもそも高い食べ物じゃないはずですからね。言うてもファーストフードじゃないですか!だから、自由に気軽に楽しんでもらえれば!」

おすすめメニューはタコス以外にも!

マスさん:
「タコス以外におすすめなのが、この”タコ酢”です(笑)。ニンニクとお酢をきかせたタコの炒め物で、最近かなり人気が出てきてます。タコスとタコ酢でシャレてるんです。」

こちらがタコ酢。想像を超えた意外性は、記事の中で書くかどうか迷いました!
そのくらい、感動的なサプライズだったのです。

”タコ酢”っていう言葉の響きから、日本人としてはタコの酢の物みたいな冷たいものを想像すると思うんですけど、炒め物だったという。つまり、温かいお料理だったんです。プレオープンの時に初めて注文した時、その意外性に驚きました。しかも、とってもおいしくて、永遠に食べていたくなるようなサッパリとしながらクセになる味わいなんです。一度食べたらリピートしたくなります!

富ヶ谷新聞:
「タコもすごくプリプリしてておいしいですよね!すごくサッパリしてるのに、後を引く味。トマトのバランスもとてもいいですね。」

タコ酢をつくるマスさん。

マスさん:
「お店に届く時にはまだ生きてる新鮮なタコを使っています。トマトは完熟のトマトを使うことで、いい感じに汁気が出てなじんでいくんですよね。

タコ酢はダジャレでやってみようかーって遊んでみたら、一発で決まったんです!人気も出てきてるので、タコスとタコ酢もありますーって推していきたいですね(笑)。」

富ヶ谷新聞:
「タコ酢、最高です!リピ確定です!あと、ビリアヌードルっていうのは、どんなお料理なんですか?ビリアのスープに何らかの麺が入るんだと思うんですが、とても気になります!」

マスさん:
「太麺のつけ麵スタイルです(笑)。ビリアのスープをココナッツミルクで割って、つけ汁にしてます。タコスのスープとはちょっと違う味わいです。麺はまさに、つけ麺みたいな麺です(笑)。」

ビリアヌードルはこんな感じだそうです!

富ヶ谷新聞:
「クリエイティブですね!!!勝手に焼きそばみたいなのを想像してました!」

ビリアヌードルのスープも少し試食させてもらいました。これがタコスで食べたビリアのスープとは全然違う、ココナッツミルクのまろやかさがクセになりそうな味!次回お店に来たら絶対に食べようと心に誓いました。

完全なオリジナルメニューなのかと思いきや、マスさん曰く、ビリアヌードルは現地ではインスタント麺になってるくらいポピュラーな食べ物らしいです。そこに、ココナッツミルクと「つけ麵」をフィーチャーするあたり、日本人ならではの感性とセンスを感じます。

テキーラが怖い人、苦手な人こそ来てほしい!

PERROS PERRASでは、オリジナリティ溢れるお料理とともに、さまざまなテキーラやメスカルも楽しめます。

ずらっといろんなテキーラとメスカルが並びます!しれっと沖縄のハブ酒もありました。

マスさん:
「テキーラがお好きだそうですが、普段どうやって飲んでますか?」

富ヶ谷新聞:
「私はわりとソーダで割って飲むことが多いです。ハイボールの感覚ですかね。テキーラの魅力がここから広がっていくといいなぁと本気で思っています(笑)。」

マスさん:
「そうですね!うちでもソーダ割りを推してます。テキーラって、最初はクセを感じるかもしれないけど、飲み慣れてくるとすごく飲みやすいお酒だと思うんですよね。ハイボールとかサワーみたいな感覚で飲めるようになると楽しくなるし、ハマっていく魅力がテキーラにはありますよね。」

富ヶ谷新聞:
「本当にその通りだと思います!例えば、テキーラを怖がる日本人って多いでしょ。私はその日本人のテキーラ恐怖症をなくすための啓蒙活動をずーっと細々と一人でやってるんですけど、なかなか理解してもらえませんね(笑)。

こちらでは、この辺のバーとかではあまり見かけない銘柄のテキーラやメスカルが多いので、テキーラの魅力に目覚める人が増えたらいいなと思います。」

マスさん:
「それ、まさにうちが提案したいことなんです!」

富ヶ谷新聞:
「そうなんですね!志を共にできる仲間ができて心強い!!!」

こちらはスモーキーなタイプのメスカルだそうです。
タツさん曰く、メスカルはテキーラに比べて定義の幅が広いので個性的で自由なお酒とのこと。

マスさん:
「テキーラの悪いイメージをなくしたくて、こういう店があってもいいんじゃないかっていうのもコンセプトとしてあるんです。テキーラのおいしさをもっと推していきたいし、テキーラを楽しめるおつまみを出していくお店。テキーラありきのおつまみを楽しんでもらいたいんですよね。あ、もちろんお酒が苦手な人も大歓迎です!」

タツさん:
「今はまだちゃんとしたメニューが完成していないんですけど、今後各テキーラやメスカルの特徴などがわかりやすいように説明をつけたメニューができる予定なんです。

ただ、その説明ってあくまでこちら側からの感じ方なので、人によって感じ方は変わる可能性が高いですね(笑)。特にメスカルは人によって全然感想が違うことが多いので。

こちらとしても、お客さんとコミュニケーションを取りながら、好みに合うような銘柄、飲み方を提案していければいいなと思っています。」

富ヶ谷新聞:
「それはお客さんにとってもうれしいですね!テキーラの魅力に触れるきっかけになるかも!テキーラやメスカルの銘柄はこれから増えたり変わっていったりするんですか?」

マスさん:
「月に1本くらい増やして行こうかなと考えています。銘柄や熟成期間などによって香りも味も変わるので、違いを楽しんでほしいですよね。」

富ヶ谷新聞:
「ワインとか日本酒とか、何でもそうですけど、違いがおもしろいですよね。テキーラも銘柄によってバーボンの樽で熟成させて香りをつけているものとかもありますし。」

マスさん:
「そうですね。ウイスキーっぽい感じで飲めるものもあるので、普段ハイボール飲む人ならそういうのから試してみると抵抗なく楽しめるかもしれないです。

テキーラが怖い人ほど来てほしいですね(笑)。ハイボールを呑む感覚で楽しんでもらいたい。ドリンクも少し安めに設定しているので、フラッとカジュアルに使ってほしいです!」

富ヶ谷新聞:
「なるほど!それはテキーラ初心者にも通にもうれしいですね!」

Tex-Mexの構想から、いつしか”Tokyo-Mex”に!?

富ヶ谷新聞:
「今後はメニューも増えて行く予定ですか?オープンして間もないながら、結構人気が出てきていますよね!すごく独創的で個性的で他にないメニューが魅力的だと思います。沖縄フュージョンというわけでもないし、メキシカンインスパイアな飲み屋ですかね(笑)?」

マスさん:
「そんな感じかなぁ(笑)?最初は“何mex”かねー?って考えてて、なんならTokyo-Mexくらいの勢いでやってしまおうかっていうノリですかね??

メニューも今後増えていくでしょうね。メキシコに留まらず、広い意味でのアメリカ大陸とカリブもイメージしつつ、縛りのない感じで幅広くやりたいですね。今はジャークチキンのタコスとかも考えてます。」

タツさん:
「あと、ゴールデンウイークに少しやったんですけど、今後週末限定でランチもやろうかなと考えています。タコスのテイクアウトもできますよ!」

今後のメニュー展開はもちろん、ランチも始まれば楽しみが増えますね。タコスがテイクアウトできるのもうれしい!タコスとテキーラを持って代々木公園へ行く…なんて、新しい楽しみ方ができちゃうかも!これからのPERROS PERRASにわくわくが止まりません。

オーセンティックなメキシコ料理の定義にとらわれすぎず、自由な発想で真剣に楽しんで生み出されている料理が魅力的なPERROS PERRASでした。始まりも道中も軽いノリ。でも、とっても真剣にやってる、ちゃんとおいしいTokyo-Mexをぜひ楽しんでみてくださいね。

マスさん、タツさん、ありがとうございました!また来ます!

最後に、PERROS PERRASからプレゼントがあります!「富ヶ谷新聞見たよ!」っと言っていただければ、お店から「豚の皮揚げ」をプレゼントしてくださるそうです!これも、想像以上のサプライズがあるので、ぜひこの機会に試してみてくださいね!(これについてはあえて写真を載せないことにします!)プレゼントは2023年6月15日までなので、お早めに!

PERROS PERRAS
渋谷区元代々木町9-6 TOP COURT2 1F
営業時間:18:00~2:00(フードL.O. 1:30)
定休日:木曜日
Instagram(メニューや営業情報など更新中!)

取材 八木智範 / hazuki
文 hazuki

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