富ヶ谷一丁目商店会にまた新しくできたお店。和の雰囲気の店構えに白い洗練されたデザインの暖簾。のぞいてみると、ショーケースにずらりと並ぶお惣菜。奥にもなんだかあるっぽい?気になっていた方も多いのではないでしょうか?
ポルトガル料理の名店「クリスチアノ」から、「マル・デ・クリスチアノ」、「ナタ・デ・クリスチアノ」、ビブグルマンにも選ばれたタイ料理店「パッポンキッチン」などなど、富ヶ谷界隈で話題のお店を次々と作り、さらには「ドレミのスープカレー」をプロデュースしたりと大活躍の佐藤さんご夫婦が、このたび新たに作ったお店こそがそのお店
おそうざいと
煎餅もんじゃ
さとう
これ、店名です。なんとも不思議なお店ができました。
まあ、佐藤さんの作ったお店なので、その時点で間違いないのは承知なんですが、実際どんなお店なのか?煎餅もんじゃって?気になりますよね?
ということで取材してきましたよ!
佐藤さん夫妻。「仲良さそうな写真にしてくださいね」なんておっしゃってましたが、いつも本当仲良さそうですよ!
早速佐藤さんにお話を伺いました。
富ヶ谷新聞
まずお聞きしたいのですが、このような形態のお店を出そうと思った理由を教えてもらえますか?お惣菜ともんじゃってちょっと変わってるじゃないですか。
佐藤さん
あ~、まあこの街にないからですね。
富ヶ谷新聞
確かにないですが、ないものを作ろうという中でなぜこの形態を選んだんでしょう?
佐藤さん
この街にはカフェが多くて、もう十分なんで、最初はカフェやろうかなと思ったんですけどやめて、また、店内飲食のお店も多いのでそれもあまり考えてなくて。そうなると物販、物販に近い形式になっていくかなと。この街に足りない物販を考えた上で、ウチの会社の構造上お惣菜とか、食品の物販はすごくメリットがあったので。
富ヶ谷新聞
やりやすいということですね?
佐藤さん
そう。近くにウチの他の店舗がいつくかあるので、食品の仕入れなんかもバルクで取れるわけです。今1週間でだいたい200kgぐらい野菜を仕入れるんですが、それくらい大口で購入することで価格が抑えられるというメリットがあるので。
富ヶ谷新聞
なるほど。とても興味深い話です!そこでお弁当ではなく(富ヶ谷新聞的には弁当特集をやった手前)お惣菜なんですね?
佐藤さん
弁当は、競合相手がコンビニになっちゃうんですよね。だから狙ってないです。
富ヶ谷新聞
そうなんですね。是非佐藤さんの作るお弁当も食べてみたいですが。。では、そのお惣菜の話を聞かせてください。メニューは固定ですか?
佐藤さん
今は固定ですね。それをこれから増やしていこうという感じです。季節ごとにメニューをかえて。
富ヶ谷新聞
「大根の煮た」というのが看板メニューだとお聞きしたんですが?
佐藤さん
そうですね。お惣菜は基本的にウチの妻が作ってるんですが、妻の実家が愛知県で、その愛知のおばあちゃんから習った料理をもとに作ってるんです。
富ヶ谷新聞
奥さんのこと「嫁」じゃなくて「妻」って言う人好き。。あ、続けてください
佐藤さん
愛知といえば八丁味噌が有名なんですが、その八丁味噌を作ってる会社が豆味噌という味噌を作っていて、その味噌と大根、それから、なんだっけ?ハゼの干物を・・・
富ヶ谷新聞
ハゼの干物!?
佐藤さん
そう。現地ではハゼの干物を使うんですが、今は出回ってないので、うちでは煮干しを使ってます。
富ヶ谷新聞
ほう。僕も愛知県の出身なんですが、それは知らなかったです。
反射で見づらくて申し訳ないです。。豆味噌、気になりますね!
ショーケースに並ぶ自家製のお惣菜。「毎日の食卓にならぶもの、体や心が疲れないものを作りたい」という気持ちを込めて作られています。
仕事帰りに1,2品買って、料理の手間をちょっと省くのもいいですよね。もちろん唐揚げやマル・デ・クリスチアノ仕込みの魚の煮付けといったメイン料理もあります!
さて、もう一つ、店名に名を連ねるもんじゃについても聞いてみました。
富ヶ谷新聞
煎餅もんじゃって僕食べたことないんですが、どんなものなんですか?
佐藤さん
煎餅もんじゃなんて食べ物はもともとないんです。
富ヶ谷新聞
え!じゃあオリジナルの食べ物なんですか?
佐藤さん
いや、そういうわけでもないんだけど。浅草の方でこういう食べ方はあるんだけど。
富ヶ谷新聞
煎餅もんじゃと呼ばれている訳ではないんですね。
佐藤さん
うん。俺店作るときに、まずショップカードから作って、そこから店舗のイメージつけて事業へ展開していくんだけど、
富ヶ谷新聞
!!!その話を掘り下げるだけでも凄そうですが。。
佐藤さん
ショップカードでロゴを考えてるときに、パッと思い浮かんだものを書いていくんだけど、「部屋とYシャツと私」って知ってます?
富ヶ谷新聞
はい。平松愛理ですよね?
佐藤さん
元ネタはそれなんです。まず
部屋と
ワイシャツと
わたし
って書いて。まずお惣菜やろうってことで
おそうざいと
ワイシャツと
わたし
って書いたんですよ。で、ワイシャツのところに何が入るかなって考えて
おそうざいと
もんじゃと
わたし
って書いてみたんです。でも文字数的に語呂が悪いなと思って、次は
おそうざいと
深町もんじゃと
わたし
になったんですね。でも、お店の名前付けるときって、難しい言葉だったり、一回説明しないといけない言葉が入ってると、アイキャッチが悪いんですよ。
富ヶ谷新聞
なるほど。深町ってなんだ?っていうのが入ってしまうと。
佐藤さん
そうなんです。それで、煎餅って入れたんです。
富ヶ谷新聞
えっ!ちょっと飛躍してる!!!笑
煎餅もんじゃも説明いるじゃないですか!?
佐藤さん
いや、でも深町っていう言葉は聞いたことありそうだけど、知らない人も多いでしょ?でも煎餅なら皆知ってる。その違いで印象はガラッと変わるんですよ。
富ヶ谷新聞
もうね、コレはセンスだろうな。この煎餅って言葉で僕なんかは、なんだろう?って魅かれちゃってるんですから。
佐藤さん
それでね、わたしのところをどうしようかなって迷ってたんだけど、仮でさとうっていれたの。
俺、さとうだから
富ヶ谷新聞
もう何も言うことはありません笑
佐藤さん
で、今に至ると。
富ヶ谷新聞
そういうことだったんですね。ではそろそろ、モグモグ隊がお腹を空かせてるようなので、色々いただいていいですか?
佐藤さん
もちろんですよ。
ここで佐藤さんは別の用事でご退席。もんじゃは上田さんが焼いてくれました。
さてさて、メニューを見てみると
もんじゃ・おつまみ・飲みもののメインメニューに加え
日替わりのおつまみ
自家製缶詰なんてのもあります!たのしーーー!
上田さん
どうしましょうか?
富ヶ谷新聞
おすすめのもんじゃ2つくらいと、この惣菜5種盛りをもらいます!5種は選んでもらう感じですか?
上田さん
そうですね。その日の雰囲気でこちらで選ばせていただきます。
富ヶ谷新聞
では、それでお願いします。
どーーーーん!
おいしそう!お惣菜なので、すぐ出てくるのも嬉しいポイントですよね。ついてとりあえずお惣菜頼んで一杯はじめられます!
ちなみに左下の1皿が大根の煮たですね!
5種盛りわーい!と盛り上がるモグモグ隊。
いただきましょう!
やっぱり大根の煮たから!
なるほど。美味しい!
独特の味噌に、煮干しがアクセントを加えた、素朴で優しくて、そして深い味わい。大根のコリっとした歯ごたえも気持ちよく、ずっとつまんでいられそうな逸品です。
ポテサラも
肉じゃがも
どれもこれも、こんな感じの顔になっちゃう美味しいヤツでした。外食というよりは、とっても料理上手なお母さんのいる家でご馳走になってるイメージですね。ほっこり幸せです。
そんなこんなでお惣菜をつまんでいると
上田さん
おまたせしました~。深町もんじゃです!
富ヶ谷新聞
いやぁ、テンションの上がるビジュアル!フォトジェニック!!!
ここからが上田さんの腕の見せ所。
もんじゃで煎餅を作る技術はかなり難しいらしく、ここでは、基本的にもんじゃはおまかせで焼いてもらいます。
模様に意味はないんでしょうが、何かありそうな予感がビンビンきます。ゼルダだったら絶対コログいますね。。
まあ、それはおいといて
ハマグリを別で焼き、
鉄板の温度を確かめる上田さん
上田さん
化学調味料をあまり使いたくなかったので、赤キャベツを入れて甘みを出してます。
富ヶ谷新聞
見た目も鮮やかでいいですね!
上田さん
セロリなんかも入れて、野菜で甘みを出すように工夫してます。じゃあ、いきますよ!湯気がぶぁっと上がるんで気を付けてくださいね
ぶわっ!
すごい湯気!そして広がる香り!もんじゃで「いい香り!」って思うのってはじめてかも!
身を乗り出す美女たちにもいい塩梅のフィルターがかかりますね。
結構な高温でぐつぐつっといって
ザッと具をサイドを引き寄せます。
上田さん
この部分が煎餅になるんです。
ここが煎餅になるんだそうです。その模様はもう少し後!具のサイドでは
ハマグリを野菜で包み蒸し焼き状態にして育てること数分
んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぱっかーーーー!
最高。
そうこうしてるうちに煎餅が出来たようです。ここ、男心くすぐられますよ。
効果音は想像して付けてください!
はい。これが煎餅です!
これをちぎって食べると、パリフワ不思議な食感に、出汁の旨味が効いててこれまた美味しい!
お子さんにも
大好評!半分くらい食べられちゃいました笑
上田さん
もうこちらも全部食べられますので
上田さん
ゴマの香りが合うので、たっぷり振って、最後に醤油をちょっとかけます。
ハマグリは小ぶりながら新鮮さが一目でわかるプリっプリ具合。
もんじゃをふぅふぅ
あちーちーちー!
野菜の旨味がよく出ていて、セロリが絶妙なアクセントになっており、丁寧に取られてるんだろうなという出汁が全体を包み込み、ゴマの香りがふわ~で優勝!
次に出てきたのは
納豆ゴルゴンゾーラもんじゃ!!!
この辺のセンスが「さとう」のオリジナリティですよね。発酵羊挽肉だったり、タイランドもんじゃだったり。。色々試したい!
富ヶ谷新聞
これは日替わりメニューなんですか?
上田さん
そうです。全部で40種類くらいメニューが出来てて、また違ったラインナップに変わると思います。
富ヶ谷新聞
すごご!
ぶわっ!再び!
そして立ち上るゴルゴンゾーラチーズの香り!
すみません!ビールください!
平日の真昼間からいっちゃいました。
でも、これ抗えないほどビールを欲する食べ物なのでお見逃しくださいm(_ _)m
ぺりぺりぺりぺりー!っとはがした煎餅
ビールが合わないわけがない!ボニー&クライド!彬&志麻!ペー&パー!
こちらのもんじゃには最後にオリーブオイルをかけて
良く工夫されているけど、やりすぎではないこのセンス。さっきとはまた違った表情で、全然飽きが来ない。
最高だぜ!
ということで、何から何まで楽しい取材となりました。
佐藤さん曰く、「もんじゃって食事じゃなくて遊びなんですよね。肩ひじ張らずに楽しんでもらえればと思って」
たくさん遊ばせてもらいました。
頼んだお惣菜をもんじゃに投入して味変してみたり、ソースや醤油で自分なりに調整してみたり、楽しく遊べるのならルールは無用!あるのはマナー!
全力で楽しんでもらえるような心づかいが隅々にまで行き届いた「さとう」さんは、モグモグ隊の花ちゃんがかけているスタイも貸し出していたり、トイレには足洗い場があったり!!!
これは、仕事帰りに座敷に上がる前に足を洗ってすっきりと気持ちよく座敷に上がってもらおうという心意気だそう!素敵!希望者には100円で靴下の販売まであるそうですよ!
みなさんもぜひ、心置きなく遊びに行ってみてください。
すでに人気店となっていますので、予約は入れた方がいいと思います!
おそうざいと
煎餅もんじゃ
さとう
渋谷区富ヶ谷1-9-22 1F
でんわ:03-6804-9703