記事を書き始めた頃は、どこへ取材に行けば良いものか解らず、お店に飛び込んでお願いしてみては断られる、なんてことがよくあったものですが、今では過去に取材したお店から紹介をいただくようなことも多々あり、人見知りな僕がよくもまあこんなに人の脈を広げたものだと、富ヶ谷新聞に感謝感謝しております。
今回は、スーパー美味しいスープカレーランチが食べられるカラオケバーという、文章にするとちょっとおかしい、いや、頭で飲み込んでみたってかなり不思議なお店、「ドレミ」のマスター、丸ちゃんのご紹介で、お客さんがデザイナーとして関わっている雑貨屋さんが、代々木上原にオープンしたので、取材してみませんか?とのお話をいただきました。
丸ちゃんの紹介なら行かないでかい!ということで突撃取材してまいりました!
場所は、上原3丁目の交差点から上原仲通り商店街へ少し入った左側。
なんだか良い雰囲気のお店がちょこんと待ってます。店名はARCHWAY(アーチウェイ)さん。
店内はこんな感じ。奥へと進んでいくと店主の塩野さんがこれまたちょこんといらっしゃいました。
パシャリ
塩野さん
いやいや、写真は勘弁してくださいー!
富ヶ谷新聞
そうはいきません!富ヶ谷新聞は「人」にフューチャーした新聞なので!是非塩野さんの写真と共にご紹介させてください!
塩野さん
えー!写真ですかー!?えー!
パシャリ
富ヶ谷新聞
そのうち慣れてください笑 よろしくお願いします!
塩野さん
はい。。あ、何か飲まれますか?紅茶でいいですか?
前回の記事のリノベるのいくちゃん並に、これまたちっちゃい塩野さんが背伸びして紅茶を準備してくれてます。
富ヶ谷新聞
しかし、そのコーナーかわいいですねー
塩野さん
ここはかわいいんですよ笑 例えばこのグラス、SOGO GLASSっていう日本のガラス会社のデッドストックなんですが、こうやって並べるととっても可愛くないですか?
富ヶ谷新聞
本当だ!日本のものなのに、ヨーロッパの雰囲気出てますね!もうこのまま取材に入っちゃおう!ARCHWAYっていうお店の名前の由来から教えてもらえますか?
塩野さん
イギリスのロンドンの街の名前なんです。でも友達に、イギリスで「吉祥寺」っていうお店出すのと一緒だよって言われて。。
富ヶ谷新聞
吉祥寺。なるほど。好きな街なんですか?
塩野さん
はい。なんか代々木上原に似てるんですよね。雰囲気が。都会なんだけど都会すぎなくて。
富ヶ谷新聞
そうなんですね。そういった理由からこの場所にお店を出されたのですか?
塩野さん
いえ。たまたまです笑 友達が住んでいるので、ちょくちょく遊びには来ていたのんですが、家賃の相場ってどれくらいなんだろうな?ってプラっと入った不動産屋さんで「ちょうど空いたタイミングなんですよ!」なんて紹介されて、ひと目で気に入って決めちゃいました。このドアに一目惚れしちゃったんです。
富ヶ谷新聞
ドア!?
お店の一番奥にあるドアをうっとり眺める塩野さん。いや、尚子さん、いや、
ナオちゃんと呼ばせていただこう!
富ヶ谷新聞
ナオちゃん!ちょっとどうかしちゃってる顔してますよ!
ナオちゃん
あっ!でも本当いいドアですよね。お店の裏にもちょっとしたスペースがあって気に入ってるんです。
富ヶ谷新聞
う、うん。良かったね。それで、このお店を出す前は何をされてたんですか?
ナオちゃん
生活雑貨のバイヤーをやっていました。私、物心ついた時から、普通の仕事は出来ないな、雑貨屋さん以外の仕事は考えられないなと思ってまして。
富ヶ谷新聞
珍しいタイプじゃない?そういう人もいるんですね!あ、でも雑貨屋さんやってる人はみんなそうなのかもしれないですね。
ナオちゃん
そうですよー!大変ですし!好きじゃなきゃやってられないですよー!
富ヶ谷新聞
確かに。さっきから
「好き」が色々なとこからはみ出しちゃってるもんね!
ナオちゃん
ん?なんですか?それ?けど、本当自分の好きなものしか置いてないです。全部使ったことのあるもので、愛着もありますし。
富ヶ谷新聞
全部使ったことあるの!?それは自信を持ってすすめられるアイテムが揃ってるってことですね!ちなみにナオちゃんのイチオシはどんなアイテムなんですか?
ナオちゃん
私は基本的に骨董の食器とかが大好きで。これなんかは吹きのグラスなんですけど、
富ヶ谷新聞
吹きってことは、口で吹いて作ってるってことですか?
ナオちゃん
そうです。だからここに継ぎ目がないんですよね。みんな少しずつ形が違ってて愛おしいですよねー。これ、19世紀のものなんですよ!
富ヶ谷新聞
うん!19世紀とか、吹きだからとか、正直良くわかんないところはあるけども、確かにどこか愛おしい可愛らしさをもったグラスですね!
ナオちゃん
イギリスだったり、フランスのものとかも混じってるんですが、向こうの人ってものすごくモノを大事にするんですね。例えばお皿1枚を買おうと手に取ると、そのお皿を売ってるおばさんが、「これはいつ作られて、どういったもので、誰の手を渡ってここに来て」といったことを全部ひとつひとつ説明してくれるんですね。この1枚で1時間くらい喋ってくれるんです。そういった愛情を含めて好きなんです。うふふ。いいですよねぇ。
富ヶ谷新聞
そのおばさんも今のナオちゃんみたいな顔をして喋ってたんでしょうね!本当好きがはみ出してる。
ナオちゃん
これなんかは、キッチン用品が大好きなお母さんから買ったんですが、
とても大切なものだっていうので、なんでそんな大切なものを売っちゃうんですか?って聞いたんです。そしたら、大切な息子が大学へ行くから、お金が必要なんだって。だから大切なものを売るのよって言うんですね。そのために集めてきたようなもんだから!って。なんか素敵ですよね。これが日本にいくのね!嬉しいわって言ってました。うふふ
富ヶ谷新聞
そして上原のこのお店で次の出会いを待ってるんですね。
溢れ出した好きに僕まで包まれてきちゃいましたよ!
ナオちゃん
そうやって、大切に使われてきたものを、大切に使ってくれる方にお譲りしたいなって思いますね。
富ヶ谷新聞
あー!その顔撮りたい!写真写真!!!
ナオちゃん
いやぁぁ!やめてくださいぃぃ!
富ヶ谷新聞
ちっ!まだ慣れてないか。。
ナオちゃん
えっ!?なんか怖くないですか!?えっ!?
富ヶ谷新聞
いえいえー!大丈夫ですよーー!あっ!これなんかすごくかわいい♥
ナオちゃん
そう!かわいいですよねー!それは国内のもので、萬古焼(ばんこやき)なんです。
富ヶ谷新聞
(よしよし・・・) 急須欲しかったし、これすごくいいなぁ。
ナオちゃん
茶こしもすごく大きくて、とっても洗いやすいんですよ。これは現代のアーティストさんが作っているので、萬古焼だけど今っぽさもあって。
富ヶ谷新聞
本当ですね。萬古焼のイメージとはちょっと違いますね!これは欲しいものリスト入りだ!(この日財布を忘れ、サザエさん状態なわたくし)
うーん。しかし本当にどれもそそられるモノばっかり!
このお皿もいいなぁ!こんな水色見たことない!
ナオちゃん
そう!これね、私本当にすべての商品を使ったことがあるので、自信を持って言えるんですが、料理の下手な私でも、このお皿に乗せるととっても美味しそうな料理になるんですよ!
富ヶ谷新聞
え!料理下手なんですか?ってところが気になっちゃいますが、こんな色のお皿あんまり見たこと無いから、実際使うとどうなるかも聞けていいですね。
ナオちゃん
やっぱり気に入って大切に使ってほしいですからね。
富ヶ谷新聞
わ。また気になるモノが!このクッションは個性的!魅力的!いいなぁ!
ナオちゃん
いいですよねーーー!
富ヶ谷新聞
てかナオちゃん、商品ホメると、
自分がホメられたみたいに喜ぶね!
ナオちゃん
えへへ。そうですか?でも自分の好きなものをホメられたら嬉しいですよね。それは古いキリムを使って作られたクッションなんですよ!
富ヶ谷新聞
キリムっていうのは?
ナオちゃん
トルコの絨毯ですね。それをリメイクしてるので、同じものはないんです。
富ヶ谷新聞
ああ、トルコの絨毯なんだ。これ、しっかりしてるね!どれも個性的でかわいいし。うーんこれも欲しいものリストだ!
ナオちゃん
一番のお気に入りはこっちに隠してあるんです笑 かわいいでしょ?うふふ。
富ヶ谷新聞
こらこら笑 商売っ気がないんだから!
ナオちゃん
でも、本当に出来れば売りたくないんですよー笑 大切にしてくれる方がいればしょうがないですけど。
富ヶ谷新聞
じゃあ写真にはモザイクかけておきますね!本当に欲しい人だけがたどり着くように笑
あ、富ヶ谷新聞的にはこれお気に入りだなぁ。
ナオちゃん
それもかわいいですよね!穴が空いてて、補修してあったりもするんですが、それも味になってて。
富ヶ谷新聞
こういうものをちょくちょく仕入れに行ったりしてるんですか?
ナオちゃん
いやいや、お店も1人でやってますし、なかなか仕入れには行けないですね。でもまだまだ家にたくさんありますので。
富ヶ谷新聞
え?自宅に在庫があるんですか?
ナオちゃん
はい。今まで買い集めた大好きなモノが家を埋め尽くしてます笑
富ヶ谷新聞
ああ。
その大好きがはみ出しちゃったのがこのお店「ARCHWAY」ってことなんだね!
お店のすみずみにはみ出したナオちゃんの「好き」
人の「好き」って、見てるだけでなぜか幸せな気持ちになるものですよね。
話を聞けば、それぞれのモノに、それぞれ素敵なエピソードがあるんです。コレ、湯たんぽなんですが、この湯たんぽにまつわるエピソードは、是非実際にお店に行って、ナオちゃんに聞いてみてください。
富ヶ谷新聞
いやぁ、ナオちゃんの「好き」にたくさんふれて、幸せな気持ちになりました!いいですね、雑貨屋さん。僕もね、ちょっとした夢があって。
ナオちゃん
なんですか?
富ヶ谷新聞
自分の仕事机にね、こう、ちょっとオシャレなペーパーナイフを置いておきたいんですよね。ペーパーナイフが置いてある机ってカッコよくないです?
ナオちゃん
ペーパーナイフ。。ちょうどいいものありますよ。
これね、私が使ってるモノなんですが、イギリスのフリーマーケットでおじいちゃんから買ったんです。すごく気に入ってるモノなんだけど、重くて使えなくなっちゃったんだって。そのおじいちゃんも、若い頃におじいちゃんから譲ってもらったみたいなことを言ってたから、結構古いものだと思うんですが。
富ヶ谷新聞
おお、カッコいい!確かに重い笑 けどエピソードも素敵ですね!そういうモノと出会いたいものです!
ナオちゃん
差し上げますよ。
富ヶ谷新聞
え!!!!!!!!!???
ナオちゃん
こんなお店を取り上げていただいて本当にありがたいので。ただ、
大切に使ってくださいね!
富ヶ谷新聞
も、も、もちろんです!ありがとうございます!
本当にいただいちゃいました。今も僕の机の上に鎮座しておられます。ナオちゃん、大切に使いますからね!
自分で使って気に入った、本当に好きなもしか置いていない。
なんなら好きすぎて売りたくない。
だからこそ大切に使ってくれる方に買っていただきたい。
はみ出しちゃった「好き」に触れられる、なんとも素敵な雑貨屋さんが出来ました。気になるモノのエピソードを聞いてみたり、ぷらっとのぞいてみたり、大切な人へのプレゼントを見繕ってもらったり、ナオちゃんの写真を撮ってみたり(無理だと思いますが。。)、是非一度行ってみることをおすすめします!
僕も今度は財布持って行きますね!!!
ありがとうございました!
こちらもかわいいデザインのショップカード。
ARCHWAY(アーチウェイ)さん
東京都渋谷区上原2丁目48-10 第二大貴ビル102
03-6407-1702
open: 12:00 close: 20:00
定休日月曜