「代々木八幡駅踏切」カメラマン高橋葉氏によるコラム連載!

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この街に住み始め15年の月日がすぎ、代々木八幡駅の周辺は徐々に変わっていった。踏切の位置も変わり、駅の様相も徐々に変わっている。
夕方6時過ぎ、駅前を歩いていると、踏切を待つたくさんの人に驚かされる。
頻繁に往来する電車。開かない踏切。
左右交互に点滅する赤い信号とカンカンと乾いた警告音。電車の進行方向を伝える橙色の矢印。電車が通ればキーキーと車体の音。目の前を過ぎていく大きな車体。
踏切が開くと渡りきる前に踏切は、またカンカンと音を鳴らす。

待っている人たちの表情は、色々。
話が盛り上がる友人同士。
自転車を降りて荷物を探る人。
手を繋ぎあうカップル。
参考書に目をやる受験生。
スマホを眺める人たち。

みんな焦燥も慣れっこな様子で、いつかは開く踏切を待つ。
日々の変わらぬ風景のように自然にすら感じる。

2019年3月に代々木八幡駅のホームは変わる。
少しずつ、姿を変える代々木八幡駅。
新しく便利になる駅で、踏切を待つ機会は減るだろう。
でも、踏切はまだまだ、なくならない。
いつものように、カンカンと音を鳴らしながら、電車の往来を、人々の安全を守ってくれるのだろう。

写真・文 yow takahashi

高橋葉(yow takahashi)
代々木八幡在住15年とちょっと。
本業のカメラマンの傍ら、バーザンジバル月曜日担当。
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