好きなものを自由にリクエスト!奥渋で定食ランチと自由なメニューを楽しめる空間でみんなの「好き」を共有しよう!

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皆さんはどんな空間で食事がしたいと思いますか

私は食事をする時に自分の好きなものについて誰かと共有できる空間にいると、ご飯がより一層美味しく感じられるような気がします。

そんな私が思い描く空間が、神山町の一角にありました!

そこでは平日の定食ランチが楽しめるだけでなく、共通の好きなテーマをもとに人が集まってイベントを開いているそうです!

お話を伺うべくやって来たのは、maruta(まるた)さんです。

飲食店が多く立ち並ぶ奥渋の雑居ビルの3階にあります。

お店に入ると切り盛りされている奈良さんと前田さんが出迎えてくれました。

料理を担当されている奈良さん(写真左)とホールを担当されている前田さん(写真右)

富ヶ谷新聞:

「本日はよろしくお願いいたします!ランチはそれぞれ牛、豚、鶏、魚と主役が異なっていてどれも魅力的ですが、その中でもおすすめのメニューはありますか?」

奈良さん:

「そうですね…あ!『おじさんハンバーグ』はここのすぐ近くの『肉の栄屋』さんのお肉とそのおじさんのレシピなんですよ。それで『おじさんハンバーグ』と名付けています(笑)。」

富ヶ谷新聞:

「そうなんですね!名前も含めてハンバーグが気になっていました。では『おじさんハンバーグ』でお願いします!」

奈良さん:

「はーい!

ちなみに焼き鮭セットのとろろは最近提供し始めて結構人気なんですけど、これは私の実家がある秋田で食べる味で、出汁のほかに秋田の味噌を使ってのばしています。」

富ヶ谷新聞:

「味噌でのばしているんですね!とろろってめんつゆ的なものを使うことが多いと思っていました。」

奈良さん:

「元々は濃く作った味噌汁でのばしていたんですけど、中野の老舗のとろろ屋さんでは味噌でのばすってお客さんが言ってましたね。」

とろろに使用されている秋田の味噌  
炊き立てほかほかのあきたこまち!
ごはんのおかわりもできます!

奈良さんの秋田の食材への愛は味噌にとどまりません。

奈良さん:

「ランチメニューに付くスープは秋田のきりたんぽのスープで、お米はあきたこまちを使っています。副菜のきのこに和えている自家製のマスタードにもとってもおいしい男鹿半島の塩が入っています。」

富ヶ谷新聞:

「マスタードも自家製なんですか!」

奈良さん:

「乾物が売っているからそれを蒸して自分の好きな味付けにできるんですよ。

これは酢と砂糖と塩しか入っていないんですけど、酢は自分の好きな米酢とホワイトバルサミコを混ぜています。秋田の塩はそのまま舐めても甘いんです。」

前田さん:

「せっかくだから塩を味わってもらったら?」

「男鹿なまはげの塩」
 marutaさんの自家製マスタード

ということで、人生初の秋田の塩を味見させていただきました。

甘い!!!

塩を舐めて甘いと思ったのは初めてでした!甘さの中に程よくしょっぱさが感じられて上品な味わいです。

そして、そうこうしている間に「おじさんハンバーグ」の定食が目の前に!

         

今回は+200円で野菜盛りにしていただきました。

彩りがとっても豊かで、デミグラスソースの良い香りも広がっていて最高です。

富ヶ谷新聞: 

「いただきます!

・・・・・美味しい!!

ハンバーグがふわふわでとっても柔らかいです。どんな焼き方をされているんですか!?」

奈良さん:

「半分くらいが玉ねぎなんですよ。崩れやすいので、油多めでちょっと焦げ目がつくぐらい揚げ焼きのようにしています。焼いている間はあんまりいじらずにそっとしておいてますね。そうやっておじさんが教えてくれました!とにかく『触らない!』って(笑)。」

富ヶ谷新聞:

「私はハンバーグが好きなのにすぐに胃がもたれてしまうことが多いのですが、このハンバーグはふわっとしているからか、肉肉しさを感じながらもすごく食べやすいです。」

奈良さん:

「うちのお客さんにはお年頃の方も多くて、牛肉は胃がもたれるからあんまり…という方でもこれは人気ですね。」

富ヶ谷新聞:

「そうなんですね。この色とりどりの副菜についてもお伺いしたいです。

先ほど仰っていた、きのこに和えてある自家製マスタードがとっても美味しいです。食感がプチプチしていて楽しい!」

奈良さん:

「このマスタードでお酒飲めますよ!白ワインに合います。

他の副菜はだいこんのナンプラー炒めとキャベツの塩麹和え、白菜の塩こんぶとごま油和え、キャロットラペ、紫キャベツの甘酢漬けになります。」

富ヶ谷新聞:

「どれもさっぱりしていて、デミグラスソースのハンバーグと相性抜群です。」

ランチメニューのほかに私が気になっていたのは、こちらで提供されている水出しのアイスコーヒーです。

こちらの機械で抽出されています。

奈良さん:

「ミルクとかも色々ありますが、まずはこのまま召し上がってください。」

富ヶ谷新聞:

「美味しい!深みがあって洋菓子に合いそうですね。

濃いめなのでガムシロップ入れても良さそうですね!こちらのコーヒーは深煎りですか?」

前田さん:

「そうですね。コーヒーは水で抽出していて、8時間くらいすると全部溜まります。

豆にこだわりは特にないんだよね。こういう取材の時はこだわりがあるって言った方がいいのかな…こだわっているってことにしちゃおうか(笑)。」

カウンターの上には可愛らしい黒板にメニューやお店の情報が書かれています。

このようにランチタイムには様々なメニューが楽しめるmarutaさんですが、今年で開店5周年を迎えるそうです!

現在、ランチ以外にも金曜と予約の入った曜日のディナーの営業や少人数の貸切イベント、また去年の11月からは奈良さんの企画で小説や映画に登場する料理を作り、作品に関心を持つ人たちを集めたイベントを毎月開催していたりと、様々なスタイルで営業をされています。

富ヶ谷新聞:

「夜も定食的なものを提供されているんですか?」

奈良さん:

「夜は全く違って、ワインが好きなのでワインに合わせた料理だとか、お客さんが食べたいものをリクエストしてもらっています。」

富ヶ谷新聞:

「それが気になっていました!お客さんが自由にリクエストできるってとっても素敵ですね。」

富ヶ谷新聞:

「そうだったんですね。ディナーメニューもお客さんが食べたいものをもとに作るって、飲食店ではなかなかないですよね。ふらっと立ち寄った人にもそういう感じでリクエストを聞くんですか?」

前田さん:

「作るものを決めていない時は『食べたいものはありますか?』って気軽に聞いています。」

富ヶ谷新聞:

「すごいですね!じゃあ予約を取ればあらかじめリクエストすることができるんですね!」

奈良さん:

「そうですね。何を飲みたいかまず聞いて、それをもとにリクエストに合うようなメニューを考えてますね。」

前田さん:

「食べ物に合わせても良いし、飲み物に合わせても良いしという感じで。」

富ヶ谷新聞:

「ワインがお好きなんですか?」

奈良さん:

「はい!自分達が好きなのはカリフォルニアのワインですかね。」

前田さん:

「果実味が強くてわかりやすいんですよ。」

奈良さん:

「春っぽい味わいだよね。

一番最初にリクエストが来たのはアルザスのワインだったかな。ナチュラルワインだったのでそれに合う料理を作りました。アルザス地方の料理のシュークルートとか!」

富ヶ谷新聞:

「シュークルートってキャベツの酢漬けをウィンナーとかと煮込んだものですよね。

サワークリームとかと一緒に食べたら美味しそう!」

奈良さん:

「そうなんです。あとはメキシカンもやりましたね。メキシカンは結構カリフォルニアのワインと相性が良いんですよ。」

富ヶ谷新聞:

「本当にリクエストベースでメニューの幅は自由なんですね!」

奈良さん:

「少人数での貸切の時は色々なオタクが集まるんですけど、この前は『時計オタクの会』を開きましたね。

オタクの会は楽しくて、そこではそれぞれのジャンルの濃い話が繰り広げられるので面白いです。」

富ヶ谷新聞:

「そういった会はどうやって人を集めているんですか?」

奈良さん:

「幹事の人が集めてくれるんですよね。色々情報が広がって。

この前月に1回の小説・映画飯でイベントしたのは、『村上春樹の会』だったんですよ。8人くらい集まったかな。」

富ヶ谷新聞:

「インスタで『村上春樹の会』の写真を拝見させていただいたんですけど、すごい品数が多いですよね!?こういったイベントの料理はおひとりで作られているんですか?」

奈良さん:

「小説・映画飯のイベントは、隔週水曜日にここを間借りして営業していらっしゃるカフェの『ヨリミチ』さんとコラボをしています。

作品に登場する料理名や情景もとに想像をしながら色々な料理を作っています。」

富ヶ谷新聞:

「そうなんですね!こういったイベントを始めたきっかけは何だったんですか?」

奈良さん:

「私は小説とか映画も全般好きなので、ずっとこういうイベントをしたかったんですけど、毎日ランチの準備に追われてたり、ランチの予算だと作りたいものをなかなか作れなかったんです。みんなの需要に合わせてメニューも色々作っていたけれど、それだけだとルーティーン化してしまって楽しくなくなっちゃうんですよね。それで何か面白いことがしてみたくて始めました。」

前田さん:

「お客さんが食べたいものとか、こういう会を開きたいという希望にその都度合わせようと思っています。」

お店側の「好き」とお客さんの「好き」が双方向に行き交うこのお店の空間には、食事の時間をより豊かにするための自由な雰囲気が常に存在しているように感じました。

今後さらに盛り上がりが加速しそうな奥渋周辺で、おふたりは今後についてこのように仰っています。

奈良さん:

「本当に自分たちがやりたいことをやりすぎてしまっていて、お店のポイントになるワードが見つからないんですよね…。

この場所はmaruta以外にも、うちを間借りして営業しているカフェや酒場があって色んな人たちでここをシェアしているんです。」

富ヶ谷新聞:

「そうなんですね!それも珍しい!」

前田さん:

「迷走している店ということです(笑)。」

奈良さん:

「この場所が空いている時がまだあるのでもっとシェアが広げられたらいいかな。

でもこの前の『かもめ食堂』のイベントは知り合い以外の人も来て埋まったんですよ。

だからイベントはこれからどんどん盛り上がっていけたら良いですね。」

marutaさんの料理やイベントの情報はインスタグラムでご覧いただけます!

見ているだけでお腹が空いてしまいそうな美味しそうな写真や毎月のイベントの内容が頻繁に更新されているので、是非チェックしてみてください!

そして…

marutaさんでは先ほど紹介した自家製のマスタードやジャムが販売されています!

ラズベリーのジャム(写真左)と杏のジャム(写真右)
蓋にはmarutaさんのロゴが!

私は家でラズベリーのジャムをトーストやヨーグルトと一緒に食べていますが、ラズベリーそのものの程よい甘みと酸味が感じられて本当に美味しいです。

お立ち寄りの際には是非!

奈良さん、前田さん、ありがとうございました!

maruta(まるた)
東京都渋谷区神山町17-1 第二渡辺ビル A3
03−5738-7083
営業時間
【ランチ】月・火・木・金 11:30〜14:30
【ディナー】金 17:00〜
※他の曜日を希望の場合は前の週の土曜日までに要連絡
☆月1回、土曜日に小説映画飯イベント開催☆
marutaさんのInstagramはこちら

取材:八木・須田

文:須田

maruta(まるた)

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