元号が令和となり、新しい時代が訪れています。
しかし飽和の時代と言われて久しい現代社会、「本当の豊かさ」が昔のそれと変わってきています。
豊かさの象徴は個々それぞれ違いますが、
少なくとも「モノが沢山あること」が豊かを意味する時代は終わりました。
そんな中、偶然出会った上原の和食器・雑貨店のKOKKOMA(コッコマ)さん。
外観に魅かれて入ったこのお店には、「本当の豊かさ」のヒントが沢山ありました。
すっかり魅了されてしまった当記者、そのヒントを深く探るべく取材させて頂きました。
冬晴れの日。
洗練されたオシャレな空気を纏うKOKKOMAさん。
外観から惚れました。
お店の前には、旬の商品が置かれています。
可愛いフォルムのアイテムが沢山!
富ヶ谷新聞
こんにちは!
お店の奥から出迎えて下さったのは、店長の赤崎(あかさき)さんです。
赤崎さん
こんにちは!
富ヶ谷新聞
まずは、店内をぐるっと撮らせて頂いてよろしいですか?
赤崎さん
どうぞどうぞ、お荷物は置いて頂いて・・・、商品も少し動かしても構いませんよ。
穏やかで物腰が柔らかく、所作も丁寧な赤崎さん。
居心地がとても良いお店です、ほっこり。
こちらが赤崎さんです。
パチリ。
入口から最初に見えるのは、漆喰の棚に品良く飾られた和食器と雑貨です。
とてもスマートに並べられています。
窓際にも和食器・雑貨が沢山あります。
器も雑貨もそれぞれ柔和な空間を作ってくれています。
KOKKOMAさんのこのライトは柔らかく目に優しい色の明かりなのでお気に入りです。
漆喰の棚のふもとは、沢山の色の手ぬぐいが取り揃えてあります。
富ヶ谷新聞
このお店はいつ頃にオープンされたのでしょうか。
赤崎さん
今年の8月ですね。
なので、5か月目です。
富ヶ谷新聞
ええっ、オープンしたばかり!?
赤崎さん
実は、「移転してきて」5か月なんですよ。
移転する前は、上原の駅前で17~18年程このお店をやっていたんです。
富ヶ谷新聞
ええええっ、では上原のことはかなりご存知なのですね!
ここで昔の代々木上原駅(まだアコルデがなかった時代等々)で話が盛り上がってしまいました。
当記者が上原中学校通学時に毎日通っていた代々木上原駅周辺。
かなり変化して、驚きつつも少し悲しくもあり。
赤崎さん
代々木上原駅前時代は、和食器をメインに取り扱っていて、
移転してからは、和食器と雑貨が半々ぐらいの割合になりましたね。
雑貨は手作りのものを取り扱っています。
富ヶ谷新聞
和食器や雑貨はどのように探しているんでしょうか。
赤崎さん
昔から買わせて頂いている作家さん方から、新作を送って頂いたり・・・
んー、闇雲に探しに行く、ということはないです。
富ヶ谷新聞
何を重視して和食器を選んでいますか。
赤崎さん
和食器にも流行りがあって、そういったものをお求めになられるお客様もいらっしゃるのですが、
うちはベーシックで使いやすいものを選んで置いています。
同じ器を買い足しに来られるお客様もいらっしゃいますので、使いやすい器を選んでいます。
富ヶ谷新聞
この漆喰の棚、本当に良いですよね・・・
色も、質感も、形も、全てが落ち着かせてくれます。
赤崎さん
ありがとうございます。
この漆喰の棚、移転前のお店から持ってきたんですよ。
移転してこの棚を搬入しているところを見ていた方が「あ!」と気付かれていらしたり。
程良い黄土色が、和食器のそれぞれの色や艶を引き出しています。
大きいですが、威圧感はなくこのお店に調和しています。
このように、和食器が凛と見えて、いつまでも見ていたくなる不思議な棚です。
富ヶ谷新聞
「これがおススメ!」という商品はありますか。
全部の商品がおススメであることは承知の上です!
赤崎さん
んー・・・・・
曲げわっぱ、良いですよ。
お弁当箱にもなりますし、取り皿にもなりますし、とにかく形が綺麗なんですよね。
人間の手で作られているのに、蓋と本体がぴったり嵌まるのとか、
木を薄くして曲げてそれを別の木で止めているのとか、ずっと見ていて飽きないんですよね・・・
KOKKOMAさんで取り扱いの長い、秋田の曲げわっぱですが、最近は若い方に人気だそうです。
なお、写真のわっぱは9,000円(税抜き)です。
赤崎さん
あとは手ぬぐいです、おススメ。
最近はタオル代わりに使われる方が多くて。
すぐに乾きますし。
こちらの手ぬぐいは「あひろ屋」さんのものだそうです。
1,300円(税抜き)です。
赤崎さん
ガチガチの「江戸感」がなくて、色味も柄も優しいですし、良いですよ。
手ぬぐい、というと「祭り」「気合い」「盛大な掛け声」そんなイメージを持ってしまう私はまだ手ぬぐいの世界を知らないのだと思います・・・
カラフルでありながら、日本のしなやかな色合いが出ている手ぬぐいは、心を落ち着かせてくれます。
富ヶ谷新聞
ん?掛け軸・・・ではないですね、本当だ!
赤崎さん
こちらは「小倉染色図案工房」さんの手ぬぐいです。
十二支の手ぬぐいなんですよ。
今月20日以降に2020年の干支手ぬぐいが届きます。
小倉さんの手ぬぐいは私の年末の楽しみでもあります。
手ぬぐいは実用だけでなく、タペストリーといいますか、飾ることもできます。
富ヶ谷新聞
お、おしゃれ・・・!
赤崎さん
このお箸置きも良いですよ。
これも十二支揃うんです。
富ヶ谷新聞
ねずみさんが・・・可愛い・・・!!!
しかも細かいところまで丁寧に彫ってあって・・・
手作り雑貨、奥が深いです。
富ヶ谷新聞
和食器を扱おう!お店を出そう!と決めたきっかけはありますか。
赤崎さん
元々お花屋さんで働いていまして。
そこでは、和花と器を合わせて飾っていたんですね。
そこで器に強く影響を受けました。
その中で自分が好きな器を突き詰めていったところ、「使いやすい器」だったんです。
富ヶ谷新聞
ありとあらゆる器を見てこられたんですね。
そういえば、店内に植物が多い気がしました!
赤崎さん
お花屋さんで働いていましたし、お花や植物は好きなので。
赤崎さん
これは、外国の方に人気です。
若い方だと、開け方が分からなくてこじ開けようとされてる方もいらして(苦笑)。
富ヶ谷新聞
いえいえ、私はこの説明を読まずにパカっと開けましたよ?
よくお婆ちゃんが持っていたような、作ってくれていたような・・・
赤崎さん
あと、和食器を取り扱っていますが、一見洋食器に見えるものも置いてます。
富ヶ谷新聞
ズバリ、このお店の「強み」は何でしょうか。
赤崎さん
強み・・・
流行りに流れないことですかね。
今並んでいる商品のほとんどは、オープンの頃と変わりません。
お客様によって使われ続け、愛され続け、選ばれ続けている、という証拠ですよね。
品物が雑誌等に掲載されると、その品物に目は留まりますが、
ご自身の好きなモノ、使いたい器、ご自身が欲しいと思う品物を熟知されているお客様が多いです。
ここに来て下さるお客様は定番のお品を買われる方が多いです。
流行りに流されない方々がいらっしゃるお店ですね。
自分が心から気に入ったモノや自分が心から愛するモノに囲まれていること、
それが例え少しであっても、幸福度は高くなる、と考えています。
モノが有り余っている時代だからこそ、自分が幸せになれるモノを探し出して使う、
それが本当の意味で豊かな生活なのだと、赤崎さんのお話を伺って確信しました。
ブランド物が全てではありません、だからといって安価なモノも全てではありません。
自分自身が、好きであるかどうか。
自分自身が、幸せを感じるかどうか。
赤崎さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!
KOKKOMA
住所 東京都渋谷区西原3-23-4 コート代々木上原101
tel / fax 03-6407-0800
アクセス 代々木上原駅徒歩3分
営業時間
月曜・水曜 – 土曜:11:00〜19:00
日曜・祝日:11:00〜18:00
定休日 火曜日
website KOKKOMA
blog KOKKOMA
Instagram KOKKOMA
取材/撮影/文:寺脇千草