会社で昼食をとっていた時の事。
隣のテーブルで「死ぬ前にやってみたい事」で盛り上がっていました。
スカイダイビングをやってみたい、縄文杉を見てみたい、北海道の先端に行きたい・・・等々。
でも、仕事や日々の生活に追われてなかなか実現できないのが現実です。
ならば、せめてその「日々の生活」を快適に過ごしたいもの。
きっとそれは、自分が心地良いと思える生活、
つまり「自分らしい」生活なのではないかと思います。
そこで、初台の(と言っても代々木八幡駅からの方が近い)コーヒースタンド&ヴィンテージアイテムのお店、BEMYSELFさんを取材させて頂きました。
お出迎えの手書きの黒板は、そのお店の雰囲気をよく表します。
各SNSにも展開していますね。
カラフルな洋服が並んでいるので、ふと目に留まるお店です。
「古着屋さんなんですか?」
とよく訊かれるそうです。
ガーフィールドがちょこん。
取材中、「このガーフィールドは売り物ですか?」とお求めになられた方がいらっしゃいました。
残念ながら、非売品です。
しかし、ちょこちょこ「このガーフィールドが欲しい」というお客様はいらっしゃるそうで。
富ヶ谷新聞
こんにちは!
出迎えて下さったのは、店主の岸本さんです。
岸本さん
あ、どうも、こんにちは!
実は、取材前から服を買ったり、コーヒーを頂いたり、個人的にお世話になっているお店です。
まずは、店内を撮影させて頂きました。
アメリカンな雰囲気です。
カラフルポップ、という言葉がよく合う店内。
岸本さんの「LA愛」が炸裂してます。
数束ぶら下げられたドライフラワーが、良い味を出しているのです。
ポップな中にも穏やかさ。
店内を彩るヴィンテージの古着達。
古着感がなく、色鮮やか!
さらに、流木がハンガーラックになっているというお洒落アイデア。
では、岸本さんのお写真を撮りますよー。
パシャ。
気さくでロサンゼルス大好きな岸本さん。
富ヶ谷新聞
まず、このお店の名前を見てグッとくるものがあったんです。
「BEMYSELF」、自分自身であれ、ということですよね。
この店名にした理由やきっかけはありますか。
岸本さん
んー、折角お店をやるなら「自分らしく」やりたい、という思いで付けました。
今度の1月で開店して5年になりますが、最近ようやく「BEMYSELF」の感じになりました。
富ヶ谷新聞
初めから「自分らしさ」が出せなかったと?
岸本さん
そうなんです、最初はコーヒースタンドとして開店したんですが、
お客様のご要望で、ランチとディナーを始めたんです。
一人で全部切り盛りしていたんで、お客様とゆったりお喋り・・・なんて出来ず、
仕込みや調理で精一杯だったんですね。
そして今年の2月にここに移転しまして、(※旧店は水道道路沿いにありました)
コーヒーとランチと古着に絞ったのですが、
ここ最近、ランチをお休みして、コーヒーと古着のみになり、やっと余裕が保ててます。
富ヶ谷新聞
5年の間に孤軍奮闘されていたんですね・・・
富ヶ谷新聞
前から思っていたのですが、古着は全て大人用かと思いきや、子供服もありますよね。
岸本さん
古着はロサンゼルスへ行って買い付けるのですが、子供服を偶然見つけた時、
素直に「可愛い!」と思ったんです。
帰国してこのお店で販売したところ、お客様から好評でして、それから少し増やしました。
富ヶ谷新聞
子供服ながらも、物凄く可愛いですもんね。
例えば、これなんかカラフルで子供らしくて見ていて元気になるというか・・・
岸本さん
ですよね!
これ、40年程前のアメリカ製のものなんです。
富ヶ谷新聞
40年前!?
新品同様の状態の良さですね・・・(呆然)
信じられない・・・
なお、この服は「Donmoor Multi Color Sweat」、5歳児用、
Made in USA、税込4,000円でBEMYSELFさんで販売されています。
(売り切れていたらごめんなさい!)
岸本さん
折角だから子どももMade in USAのものを着て欲しいし、可愛い恰好をして欲しいと思うんです。
子どもだからこそ着られる服もあると思いますし。
ロサンゼルスにも、あらゆる古着があるんです。
安くて、日本円で900円ぐらいだけれど着回した感じが強いものとか。
買い付けの際は、こだわりを持って選んでます。
富ヶ谷新聞
こだわり・・・具体的には?
岸本さん
まず状態が良いこと、それからMade in USAであること、さらに色味ですね。
そして、ラックに並べた時の色のバランスを考えます。
まず、「古着」というと「どよーん」とした色や雰囲気があったりするじゃないですか。
そういうのが嫌で。
ラックに並んでいても華やかにしたかったんです。
明るい方が、見え方も良いですし。
だからといって、赤い服ばっかり買ってきてもしょうがない。
バランスも必要です。
ここで少し補足です。
古着は「used(ユーズド)」とも呼ばれ、中古衣服全般を指します。
BEMYSELFさんが扱う「vintage(ヴィンテージ)」は、古着のうち、一定の古さと質を兼ね備えたものを指します。
富ヶ谷新聞
いやはや、ロサンゼルス好きですよね。
店内にLAへの愛がそこかしこに溢れてますよね。
岸本さん
LA大好きです。
暖かいですし、雰囲気そのものがハッピーなんですよ。
雨が降るとショボン・・・となりますが(笑)。
陽気な人が多くて、とにかくLAの人はごく自然に他人を褒めるんですよ。
昔、ロサンゼルスを歩いていたら、走っていた車が僕の方へ寄ってスピード落としてきて、
「その上着、良い色だねっ!」
と運転していた男性がそう言って、スピード上げて去って行ったことがあります。
富ヶ谷新聞
服の色を褒めるためだけに、車を道に寄せる・・・!!!
でも、褒められて嫌な気になる人はいませんし、素晴らしい文化!
ここで、BEMYSELFさんで販売されているヴィンテージアイテムを一部ご紹介!
岸本さんのコメント付きです。
「Walt Disney World 81」 七分袖 USA製 Size M ¥9,000(税込)
80年代初期のウォルトディズニーの七分袖Tシャツです。
デッドストック(新中古)で状態も良く、ミッキーのタグでレアな一枚です。
「Unique Pastry KOSHER BAKERY CAFE Sweat」 Size L ¥4,800(税込)
カリフォルニア州ターザーナにある家族経営のベーカリーカフェのスウェットです。
とても可愛らしいケーキを作っているので有名なお店です。
記者注)ロゴにある電話番号は実在のものです!
●アウター:「COMMOM Knit Cardigan」 Size S/M ¥7,000(税込)
ゆったりしたシルエットながらも、袖はタイトに作っていたりとバランス感の良い一着。
デザイン性にも優れ、一枚羽織るだけオシャレな一着です。
●インナー:「fire los angeles Denim SH」 Size XS ¥4,500(税込)
アメリカの百貨店で扱われているブランド。
ゆったりめなサイズ感なのでリラックスコーデにどうぞ!
袖を折り上げられるデザインなので、長い季節着られる一着です。
岸本さんおすすめの一着。
●アウター:「Hard Rock CAFE MAUI Cardigan」 USA製 size kids M ¥3,500(税込)
マウイ島にあったハードロックカフェのカーディガンです。
今は閉店しているようなのでレアな一着です。
●インナー:「OSHKOSH Check SH」 1歳~1歳半児用 ¥2,500(税込)
サンフランシスコ発の子供服ブランドです。
キレイなチェックの色味で可愛らしい!
濃い目の色味なので清潔感も出ます。
●オーバーオール:「OSHKOSH Baby Overall 70~80`s Vtg」 2歳児用 ¥3,500(税込)
40~50年近く前のオシュコシュのオーバーオールです。
状態も良く、オススメの一着。
初めてキッズ用のオーバーオールを作ったのもオシュコシュです。
●左 「REDSKINS Long-Sleeve Rompers」 1歳半児用 ¥3,000(税込)
ワシントンDCに本拠地を置く、NFLチームREDSKINSのロンパース。
普段、街中で着てもとても可愛いと思います。
●中央 「REDSKINS Hoodie」 3歳児用 ¥2,500(税込)
ワシントンDCに本拠地を置く、NFLチームREDSKINSのキッズパーカー。
薄手の素材なので、着回せる期間も長いと思います。
男の子、女の子、ともにオススメ!
●右 「REDSKINS KIDS Knit」 ¥4,000(税込)
ワシントンDCに本拠地を置く、NFLチームREDSKINSのキッズニット。
Made in USAのヴィンテージ、チームカラーのニットで可愛いです!
富ヶ谷新聞
では、コーヒーのお話に移りたいと思います。
まず、コーヒー豆はどちらのものを使っていますか?
岸本さん
西永福のJalk Coffee(ヤルクコーヒー)さんのものを使っています。
深煎りで濃厚なんですよ。
富ヶ谷新聞
エスプレッソマシンを使っているんですよね?
岸本さん
そうです、イタリア製の「ラ・ノエバラ」というエスプレッソマシンで淹れています。
僕はドリップコーヒーも飲みますが、うちの店では出しません。
富ヶ谷新聞
私はアメリカンが好きなのですが、いつも「この味!」というコーヒーを出してくれますよね。
岸本さん
コーヒーが好きな人でも、テイストの好みはバラバラですから、
そこは臨機応変に対応しますよ。
自分の「美味しい」を押し付けたくないんです。
服も一緒です、自分が良いと思ったものを押し付けたくない。
富ヶ谷新聞
極端な話ですが、
例えばお客様が来店して、手に取った服が明らかにその人に似合っていなかった時、
お世辞や当たり障りのない事を言えば、お客様は服を買ってくれて、
結果として利益は上がりますよね。
岸本さん
んー、そうなんですが、それは僕らしくないんで。
その人に似合っていなければ、やんわりと違うものや違う色をおすすめして、
それでも気に入ってもらえなければ、それはそれでしょうがない。
自分に嘘をついてまで買ってもらおう、とは思わないんです。
富ヶ谷新聞
それが、このお店の基軸というかスタイルなんですね。
どんどん圧をかけてくる洋服店が苦手なので、そういうお店が増えて欲しい・・・
では、「BEMYSELFブレンドコーヒー」をお願いします!
これです!これこれ!
私の場合、エスプレッソのシングルにお湯を足してもらっています。
いただきます!
深煎り豆の独特な味わい、しかしスッキリしています。
雑味もなく、酸味もないので、深みを存分に味わうことができます。
例えるなら、雨上がりの森林を歩いている感じでしょうか。
雨で湿った土は濃い色を見せ、木々は濡れそぼり、
しかしそれらの香りはとても深く、心を穏やかにしてくれます。
「森林浴コーヒー」と勝手に思っています。
深煎りコーヒーが好きな方には、強くオススメします。
とにかく、香り高くて美味しい!
自分らしく生きる。
それは、社会の規範や枠に嵌まって、凝り固まってしまった大人達には難しい事かもしれません。
しかし、自分の人生は自分だけのもの。
自分が、自分らしくいる時が、一番輝いている時なのだと私は思います。
Be myself.(自分らしくあれ)
Be yourself.(あなたらしくあれ)
岸本さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!
BEMYSELF
住所 東京都渋谷区初台2-11-7 中島コーポ102
TEL 03-6276-6724
アクセス 代々木八幡駅徒歩10分
営業時間
土曜日〜水曜日 9:00〜18:00
金曜日 14:00〜22:00
定休日 木曜日
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取材/撮影/文:寺脇千草