行けばわかる!『bistrot SEMAILLES(ビストロ スマイユ)』 富ヶ谷に上陸!

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幡ヶ谷の名店が富ヶ谷にお引越ししてきましたよ!その名は『ビストロ スマイユ』 。もしかしたら行ったことがある人もいるのではないでしょうか?実は、かくいう私も一度だけうかがったことがあります。お料理がとにかくどれもおいしくて、ワインを飲み過ぎてしまった記憶しかありません。というわけで、気になりすぎる『ビストロ スマイユ』に早速お邪魔してきました!

左がオーナーシェフの石谷有吾さん。右は萬流酒店店主であり、ビストロスマイユでソムリエとしても従事する萬福大夢(ばんふくひろむ)さん。

笑顔で出迎えていただいたのは、オーナーシェフの石谷有吾さん。4年4ヶ月幡ヶ谷で多くのグルマンたちを魅了し続けてきたシェフです。しかし、富ヶ谷・上原民にとっては朗報!2022年9月24日に満を持して富ヶ谷の地へ移転してきたのです!まずは石谷さんのご経歴から探っていきましょう!

着実に積み上げて来たキャリアが光る

富ヶ谷新聞:
「本日はよろしくお願いします!石谷さんはずっとフレンチ一筋なんですか?」

石谷さん:
「僕は関西出身なので、最初は京都の『キャピタル東洋亭』という100年以上の歴史のある洋食屋さんからスタートしました。」

富ヶ谷新聞:
「すごい老舗ですね!」

石谷さん:
「そうですね。そこで3年半ぐらい働いて、その後神戸に移って『北野クラブ ソラ』という結婚式場で働いていました。」

富ヶ谷新聞:
「神戸の後に東京に来られたんですか?」

石谷さん:
「そうです。銀座の『サラマンジェ ド イザシ ワキサカ』というフレンチのお店にいました。」

富ヶ谷新聞:
「すごく有名なところですよね!」

石谷さん:
「有名です!多分(笑)。最近はあまりクローズアップされていないみたいですけど、昔は毎月雑誌とかで料理の解説されたりとかしてましたね。」

富ヶ谷新聞:
「着実にステップアップしてキャリアを積んでこられたんですね!」

石谷さん:
「いやいや、それっぽく見える感じで・・・(笑)。」

移転オープン当初はステキなお花がいっぱいでした。

富ヶ谷新聞:
「フレンチのシェフということで実は緊張していたのですが、石谷さんはとてもきさくで話しやすい方でほっとしています(笑)。『サラマンジェ ド イザシ ワキサカ』にはどのくらいいらっしゃったんですか?」

石谷さん:
「銀座は2年くらいですね。」

富ヶ谷新聞:
「その後、幡ヶ谷に『ビストロ スマイユ』をオープンされて独立されたんですか?」

石谷さん:
「幡ヶ谷のお店は雇われの店主みたいな感じだったんです。代々木上原の『サンフォコン』というお店の方が元々あの場所でお店をやっていて、移動する時に二店舗目みたいな形で幡ヶ谷を残されたのでシェフとして任されたんです。『サンフォコン』の方も『サラマンジェ ド イザシ ワキサカ』で働いていた繋がりもあったのと、僕もサラマンジェを辞めようかなと思っていた時期だったんで、次どうしようかなっていう時に面白そうだなと思って(笑)。」

富ヶ谷新聞:
「そうだったんですね!幡ヶ谷のお店もこぢんまりとしていて居心地の良いお店でしたよね。」

石谷さん:
「こぢんまりというか、狭い(笑)!でも、狭いからこそ必然的にみんな仲良くなれる楽しいお店で、僕も大好きでした。ただ、さすがにちょっと狭いなぁと思って、今回上原に完全に独立という形でお店をオープンしたんです。」

伝統を忘れず、現在に伝える洗練されたビストロ料理

富ヶ谷、上原は名店が多い場所なだけに、新しいビストロができたとなれば、瞬く間に注目されます。それだけ、グルメ感度の高いエリアだということなのでしょう。石谷さんの新たなキャリアのストーリーは、ここからどのように芽吹いていくのでしょう?さて、気になるお料理は?

パテ・アン・クルートが焼き上がりました♪
切るとこんな感じ。美しい!

富ヶ谷新聞:
「スマイユって、どういう意味の言葉なんですか?」

石谷さん:
「フランス語で“種まき”という意味です。なんかこう、幸せの種を撒きますよ、みたいなイメージを持って付けました。それと、自分がここの地に足をつけて頑張りますっていう裏設定もあって。ここで食べておいしかったーっていう良い気分を持って帰ってもらって、またそこから何かが広がればいいなみたいな願いもあります。」

焼き加減が絶妙なエゾ鹿のロースト。
仔羊のローストも最高でした!

富ヶ谷新聞:
「すてきですね!石谷さんのお料理を食べて幸せな気分にならない人はいないと思います!普段お料理で心掛けていることやこだわりなどはありますか?」

石谷さん:
「うーん、わかりやすさですかね(笑)。普通におしゃべりしながら食べてもおいしいって思えるような料理が好きなんです。もちろん、たくさんの素材が重なり合う料理もおいしいんですけど、僕は食べて考えてしまうような料理よりも、食べた瞬間に“うまい!”っていうのが好きです。」

富ヶ谷新聞:
「それでもフランス料理って、やっぱり複雑ですよね?お料理をいただく側からすると、その複雑さも感動の要素なんですよね。ソースと、素材の火入れ加減だったり、その全てが合わさって完成するみたいな。」

石谷さん:
「まあ、そうかもしれない(笑)。」

富ヶ谷新聞:
「私の個人的な感想ですけど、出汁も大事にされている印象でした。日本人だからそう感じたのかもしれませんけど。」

魚介の旨味がたっぷり詰まったスープ・ド・ポワソン。
味変アイテムとして、ちょっと辛いマヨネーズみたいなソースとチーズも。

石谷さん:
「はい、2日くらいかけてちゃんと取ってます!基本のベースは仔牛のフォン・ド・ヴォーですね。それをベースにいろんなソースを作ります。 フォン・ド・ヴォーがないと僕はソースを作れない。僕はクラシックなスタイルのソースが多いんです。料理も郷土料理とか田舎料理とか、昔からの古典料理と呼ばれるようなものを軸にしています。」

富ヶ谷新聞:
「それは銀座のお店の影響ですか?」

石谷さん:
「銀座だけでなく、それ以前に働いていたところもですね。クラシックなスタイルのフランス料理の知識が豊富なシェフの下で働いてきたので、そういうスタイルが好きだし、僕も自然とそうなりました。」

富ヶ谷新聞:
「例えば、こちらで出しているメニューではどんなものがおすすめですか?」

石谷さん:
「よく聞かれるんですけど、いつも困っちゃいますね(笑)。シャルキュトリーはしっかり作ってますね。ハムとかソーセージとか、パテ・アン・クルートとか。ぜひ食べていただきたいですね!」

自家製シャルキュトリーと前菜いろいろをわがまま放題に盛り合わせちゃいました♪全部おいしいけど、一番左の茄子とマッシュルームのムースが本当においしかった!

富ヶ谷新聞:
「うんうん、とってもおいしかったです!シャルキュトリーもですけど、アラカルトが充実しているので、一人でもバータイムでもフラっと来やすい印象です。実際、先日伺った時もお一人で来られてる方もいらっしゃいましたよね。」

石谷さん:
「そうですね。小さい店だから融通利きますし、使い勝手良く使ってもらえるのかなと思っています。女性お一人なら量を調節したりとか、夜遅めでもしっかりご飯食べられるとか、飲むだけでも良いとか。」

富ヶ谷新聞:
「そういうお店が近所にあるって、本当にありがたいんですよね。そういえば、普段はコースも提供されているんですか?」

充実のアラカルトはお値段もリーズナブルです。

石谷さん:
「普段は、前菜やメインを選んでもらうプリフィクスコースも6,500円でお出ししてます。アミューズ、前菜2種、メイン、デザート、コーヒーのコースですね。あとは特別な記念日などで1万円くらいで少し高めの設定にしたり、事前にご相談いただければご要望にお応えします。」

富ヶ谷新聞:
「いろいろな楽しみ方ができるお店ですね!」

石谷さん:
「そうありたいですね!フレンチっていうと、初めてのお店だと入りづらいかもしれないんですけど、地域の方々には本当に気軽に一度来ていただきたいって思いますね。もう何度か来てくださっているご近所の方も少しずつ増えてきました。」

なんとなく、フレンチって2人とかじゃないと行きづらいようなイメージがあったりしますが、『ビストロ スマイユ』さんはフレンチを身近に感じられるお店です。石谷さんとの距離の近さが楽しいカウンターもあり、一人でも複数人でも楽しめるお店だと思います。アラカルトが充実していてお値段がリーズナブルなのも、嬉しいポイントです。

今年はちょっとスペシャルなクリスマスディナーはいかが?

移転オープンして、そろそろ2ヶ月。あっという間に年末です。『ビストロ スマイユ』さんではクリスマスディナーのご提供をされるとのことで、そのメニューの一部を見せてもらっちゃいました!

富ヶ谷新聞:
「クリスマスディナーは幡ヶ谷時代も毎年ご提供されていたのですか?」

石谷さん:
「そうですね。暦によるところもあるんですけど、23日、24日、25日の3日間はいつもより少し豪華なディナーを提案してきました。今年も予約を開始していて、少しずつご予約いただいています。」

富ヶ谷新聞:
「期待大ですね!どんなコースになるのでしょうか?」

石谷さん:
「まだ全てのメニューが決まっていないのですが、アミューズ、前菜、前菜、魚、お肉、デザート、食後の飲み物と小さなお菓子のコースになる予定です。ドリンクもペアリングで、普段はグラスでは出せないようなものを出す予定でいます。お酒が苦手な方には、事前にお知らせいただければちゃんとお料理に合うノンアルコールのペアリングカクテルなどをご提供する予定です。」

富ヶ谷新聞:
「豪華なコースですね!早速メニューを教えていただけますか?」

石谷さん:
「これが、今決まっている前菜の一つでカニのプリンです。甲殻類の出汁で作ったプリンにカニの身をほぐしてイクラを添えています。」

カニプリンmeetsイクラ。年末にふさわしい、贅沢すぎるプリンですよ。。

富ヶ谷新聞:
「前菜ですでによだれが溢れそうです…。絶対においしいやつ…!」

石谷さん:
「ありがとうございます(笑)。デザートもほぼ決まってて、エクレアの予定です。ピスタチオとイチゴのエクレア バニラアイス添え。」

見ているだけで幸せな気分になれそうなクリスマスカラーのエクレア。写真を撮り忘れてしまったのですが、スマイユさんはコーヒーもおいしいんです!初台にあるGPコーヒーロースターさんでスマイユさん向けのオリジナルブレンドを作ってもらってるのだとか。

富ヶ谷新聞:
「華やかなクリスマスカラーですね!」

石谷さん:
「わかりやすさ重視で(笑)。クリスマスに限らずですけど、普段フランス料理をそんなに食べない人にも、フレンチってこんな感じなんだっていうのを楽しんでもらいたくて。敷居は高すぎず低すぎず、シンプルに食べておいしいと思ってもらえて、見た目も華やかで幸せな気分になってほしいと言うか。」

富ヶ谷新聞:
「なるほど。クリスマスとなると、スペシャル感があるから見た目も華やかっていうのは大事な要素ですよね。」

石谷さん:
「そう、クリスマスは高いし、普段より忙しくてサービス悪いからフレンチは行かないっていう人も多いですよね。クオリティも下がってて急かされて、それじゃ楽しくないですよね。だから、そこまでクリスマスをあえて重視せず、僕が作りたいものでお客さんが食べたいって思えるようなものを考えています。」

富ヶ谷新聞:
「なるほど。そこにやっぱり”わかりやすさ”は大事なわけですね!」

石谷さん:
「そうですね(笑)。クリスマスディナーのお肉のメインは牛フィレ肉のロッシーニ風です。甘辛いソースにトリュフを削る感じで。魚がまだ決まっていなくて、アマダイとかを松かさ焼きみたいにして、フランスのブールブランとか、ちょっとバターっぽいソースにしようかなと考えています。前菜もまだ未定なんですけど、冬だしコンソメとかを使ってくどくない温かい感じにしようかと。アミューズは小さなパイかなぁ?」

牛フィレ肉のロッシーニ風。お肉にフォアグラがどーん。さらにトリュフがかかっているとか、幸せしかお皿に乗ってないですね。

富ヶ谷新聞:
「ほんの一部聞いただけでも華やかさが想像できます!」

クリスマスディナーは、豪華なお料理とペアリングドリンクがついて2万円とのこと。お料理もいろいろ出るので、これはコスパ良いですね!詳細は下記をご覧ください。ご予約はお早目に!

クリスマスディナー ペアリング付きスペシャルコース
12月23日 19:30~
12月24日 17:00~ or 20:30~
12月25日 17:00~ or 20:30~
各回10名限定 ¥20,000(消費税・サービス料込)

心機一転、新たな試みも

お酒もいろいろあります。お酒のことは、萬福さんに聞けばOK!

富ヶ谷新聞:
「新しい場所で、これからどんなお店にしていきたいとか、やりたいことなどありますか?」

石谷さん:
「やっぱりこの街の人に楽しんでもらえるお店になりたいですね。いつも遠くから一見さんが来るような店ではなく、地元の人が集まるようなお店に。お客さんも、僕も、スタッフも楽しいお店にしたいですね。

あと、今後は少しずつイベントもやっていきたいと思っています。その第一回目を12月4日に予定していて、ゲストシェフを呼んでバスク料理のイベントを開催します!」

富ヶ谷新聞:
「おお、早速楽しそうなイベントですね!それはフラっと参加できちゃうようなイベントなんですか?」

石谷さん:
「カジュアルなイベントです。カウンターにピンチョスとかを並べて、お料理は3,000円くらいで、ドリンクはキャッシュオンで考えています。でも、場所に限りがあるので予定が分かればご予約いただいた方が良いかもしれないですね。時間は15時~23時くらいで開催予定です!」

富ヶ谷新聞:
「リーズナブル!そういうイベントがあると、地域の人も集まりやすいですね。」

石谷さん:
「そうですね。自分の今後のステップアップも考えた時に、いろんな国の料理をもっと知りたいなと思って、このようなイベントを企画していきたいと思っています。あとは、地元の子供たちと何か活動できるといいですね。食育というか、芋掘りして一緒に料理するとか、そういう活動もしていきたいです。ずっと飲食をやってきたので、その経験をお店の外で活かしていけたら良いなと思います。」

富ヶ谷新聞:
「これからどんどん夢が広がりますね!今日はありがとうございました!」

これからの活躍が楽しみな『ビストロ スマイユ』さん。本格的なフランス料理がグッと身近に感じられそうで、さらに地域が盛り上がっていきそうですね。フランス料理が大好きな方はもちろん、それほどなじみがないという方も、ぜひ一度訪れてみてくださいね。きっと、楽しい発見がありますよ!

bistrot SEMAILLES(ビストロ スマイユ)
東京都渋谷区上原1-3-8 ルパルク上原1階
070-4466-3968
instagram(休業日や最新情報などを更新中)
12/4はバスク料理のイベントです!こちらのプロジェクトチームのインスタも要チェック!

(取材/文 hazuki)

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