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文具店?珈琲店?深町遠藤文具&深町珈琲の不思議な歴史としっとり落ち着く深煎りコーヒー。

常に消しゴムを白い状態で使いたいために、休み時間になると机の上を消しゴムで消しまわる子。
折り紙で折った箱にホチキスの芯をマメに集めている子。
下敷きを脇の下に挟んでこすり、髪の毛を静電気で逆立てる子。
漫画家並みに何十本ものカラーペンをペンケースにみっちり入れて持ち歩いている子。
小学校の思い出は文房具の思い出。
しかし今では文具店はあまり見かけなくなりました。
そんな昨今、「文具店と喫茶店が一緒になっている店がある」と聞き、文具店の懐かしさと美味しいコーヒーへの渇望から、取材させて頂きました。
富ヶ谷の「深町遠藤文具&深町珈琲」さんです。

 

代々木八幡周辺在住の自営業の知り合いによると、
ここ最近で文具店が激減し、新宿のハンズまで行かなければならないかも、と思う中、
富ヶ谷の深町遠藤文具は本当にありがたい存在、とのこと。

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外観は、明るいオレンジ色が目立つ文具店です。

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ん?でも近づいてみると、「豆」。

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ランプの下には、メニューが。「自家焙煎」の字も。

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引き戸には「STATIONERY」と「深町珈琲」。
やはり、文具店とコーヒー店が一つのお店に・・・?

 

富ヶ谷新聞
こんにちは!

遠藤さん
どうも、こんにちは。
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入ってすぐ、筆記用具の陳列を見入る当記者。
文房具大好きです。
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ボールペン、黒・青・赤はマストカラー!

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文具店としては珍しいと思うのですが、ペンの陳列棚が2つあります。
恐らく、それだけペンの需要があるのだと思います。
ちなみに、取材後に茶色・緑・オレンジのボールペンを購入。
ボールペンとしては珍しい色。

 

富ヶ谷新聞
お店の名前の「深町」とは何ですか。

遠藤さん
地名なんですよ。
この辺りは、今は「富ヶ谷」ですが、昔は「深町」と呼ばれていましてね。

富ヶ谷新聞
(そういえばフカマルシェは「代々木深町フカマルシェ」だ・・・)
なるほど・・・
こちらのお店はいつから開いているのでしょうか。

遠藤さん
平成14年からですね。
案外新しいんですよ。

富ヶ谷新聞
では、文具店の前は・・・?

遠藤さん
パン屋です。

富ヶ谷新聞
えっ。

遠藤さん
「深町丸十製パン」っていうパン屋だったんですよ。

ここで、平成11年度の町内会電話帳を見せて頂きました。
確かに「深町丸十製パン」の名が。
そしてページの後ろの方には、現在の奥渋を担う新しい名前のお店もちらほら掲載されていました。
文化や街は一瞬には変わらず、こうして少しずつ小さな変化が集まって、大きな流れを生むのだな、としんみりしてしまいました。

 

富ヶ谷新聞
強み、といいますか、重きを置いているところはどこですか。

遠藤さん
んー、定番のものをバランス良く置いてますね。
あと、筆記用具は欠かせないです。
「これ無いのー?」「あれは無いー?」と筆記用具はリクエストが多いんです。

富ヶ谷新聞
だからペンが豊富に置かれているんですね!
お客様はどのような層が多いですか。

遠藤さん
様々ですよ、子どもからお年寄りまで。
でも場所柄、お店の人というか、事業主さんが多いのかな。

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富ヶ谷新聞
深町珈琲さんはいつから始まったのでしょうか。

遠藤さん
こっちはね、3年前(2017年)。
弟が「コーヒーやりたい!」ってんで、お店を半分にしたの。

富ヶ谷新聞
えっ、弟さん?

遠藤さん
そう、兄弟でやってるんです。
深町珈琲は弟がやってます。

ということは、深町遠藤文具の遠藤さんはお兄さん。
ここからは、文具店の遠藤さんは「遠藤さん(兄)」という表記になります。

遠藤さん(兄)
といっても、レジも共有だし。
元々がパン屋で、お店の奥が手水場になるから、ガスや給排水の配管が奥に作ってあったので必然的に珈琲屋は奥半分になっちゃって。
だから、3年前以前は、このお店ぜーんぶ文具だけだったんですよ。

というわけで、お店の奥半分はこうなっています。
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文具店の真っ白な明かりと、珈琲店のオレンジの明かりが対照的です。
ひとつのお店の中に、くっきりと2つの世界が共存しています。

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お菓子やペーパーフィルター等の珈琲用具も置かれています。

富ヶ谷新聞
こんにちはー。

遠藤さん(弟)
こんにちはー。
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富ヶ谷新聞
3年前からこちらの珈琲店が出来たということですね。

遠藤さん(弟)
そうなんです、珈琲が趣味なんです。
趣味が高じると、珈琲というのは自分で焼きたくなるんですよ(にっこり)。

富ヶ谷新聞
焼きたくなるんですね・・・
珈琲の世界は奥が深いですからね。
珈琲豆はどちらから仕入れているのでしょうか。

遠藤さん(弟)
知り合いの事業者から生豆(焼く前の珈琲豆)を分けてもらってます。
仕入れる量はそこまで大量ではないので。

現在取り扱っているのが、こちらの9種類とのこと。
良い色です。
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遠藤さん(弟)
珈琲豆を煎るのは、毎回同じ味が出るように煎り加減を調整するのが難しいんですよ。
でも、それが楽しいんですね。

満面の笑みで仰る遠藤さん(弟)。
分かります、好きなモノにどっぷり浸かると、難解で困難な作業も楽しめてしまうものです!

富ヶ谷新聞
煎り方としてはどのような感じですか。

遠藤さん(弟)
うちは中煎り・中深煎り・深煎りだけですね。
お客様のご要望に応えると、こういうラインナップになります。

 

実はこの取材の前に「偵察」として当記者、珈琲を頂きに潜入していました。
まず驚いたのが価格です。
通常の珈琲店より明らかに安いのです。
しかも、2杯分の量の珈琲が出てきます。
安くて美味しい珈琲が2杯飲める!
何とありがたい!

富ヶ谷新聞
どうしてこんなに安い価格設定なんでしょうか。

遠藤さん(弟)
自分が珈琲飲むなら、これぐらいしか出したくない、というのがあるかな。
500円以上は出したくないなぁ、と思うから。

富ヶ谷新聞
珈琲が好きだからこその低価格設定!
顧客としてはありがたいです・・・
そして、2杯分が出てくるのは、やはりサービスなのでしょうか。

遠藤さん(弟)
あ、それはね、うちが勝手に2杯分出してるの。
珈琲って、淹れ方でも味が変わってきちゃうから、少量(1杯分)を出そうとすると難しくて。
2杯分ぐらいの量が味が安定するんです。

富ヶ谷新聞
あの2杯分の珈琲は、お店と顧客のwin-winの関係だったんですね!!!
ありがたいです・・・!

 

さて、改めて珈琲を頂きたいと思います!

遠藤さん(弟)
深煎りが好きなら、マンデリンがおすすめです。
インドネシアの珈琲豆なんですよ。
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ウッドトレイにカップ、2杯分の珈琲が入ったポット、そしてお菓子が深町珈琲スタイル。
マンデリンは最初にガツンとくる苦味ですが、スッと柔らかさに変わって飲みやすさ満点。
こんなに美味しいパンチ、いくらでも受けたい・・・
自分の手でポットからカップに注ぐと、妙にこの珈琲が愛おしく思えるのが不思議です。
愛着が湧くというか。
あっという間に2杯分を完飲!

 

私は、初めから「深町遠藤文具&深町珈琲」さんなのだと思っていました。
しかし、製パン店から文具店、そして珈琲店を併設、そういった変遷がありました。
物事は必ずしも全て初めからきっかり定まるものではありません。
あらゆる出来事や変化を取り入れてより良く変化していくこともあります。
奥渋という文化が現在の雰囲気を醸すまでに多様な変化があったと思います。
深町遠藤文具&深町珈琲さんは、まさに奥渋のような進化を経てきたお店なのかもしれません。

文具店の遠藤さん、珈琲店の遠藤さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!

 

深町遠藤文具&深町珈琲
住所 東京都渋谷区富ヶ谷1-43-8
tel / fax 03-3467-9121
アクセス 代々木八幡駅徒歩5分
営業時間
文具店 / 月曜 – 土曜:8:00〜20:00
珈琲店 / 月曜 – 土曜:9:00〜19:00
定休日 日曜日
website 深町遠藤文具&深町珈琲

取材/撮影/文:寺脇千草

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