“感覚をひらく。楽しむ。コーヒーがある1日。”おうちコーヒーに“至福”をプラスしてみませんか?富ヶ谷からひっそりと発信するこだわり焙煎コーヒー『ditto』

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焙煎にこだわったコーヒー豆を販売している『ditto(ディトー)』さん。その基地(あえて基地と言いたい!)が富ヶ谷にあるということで、代表の牧下浩之さんにお話をうかがってきました。

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牧下さんは、元々ウェブなどのデザイナーをされていて、現在はその傍らコーヒー豆の販売事業を展開しています。実店舗はないので、いつでも思い通りに手に入るわけではないのですが、その香り高く深い味わいのコーヒー豆が口コミでじわじわと富ヶ谷、上原周辺で広がりつつあるようです。さて、そのこだわりとは!?

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■コーヒーっておいしいものだと知った瞬間

今ではビジネスとしてコーヒーを追求し続けている牧下さんですが、日常的に漠然と飲んでいたコーヒーを、ある日突然飲まなくなった時期もあったのだとか。なんとなく飲んでいたインスタントコーヒーや缶コーヒーを、20代の頃にふと「おいしくない」と思ったことがきっかけ。以来コーヒーを全く飲まなくなっていた中で、ある日、とある豆を焙煎しているお店に行く機会があったのだそうです。当時は、豆を焙煎して売っているとか、そういう店が存在すること自体も知らなかったという牧下さんが、ここでコーヒーとの運命の再会を果たすのでした。いや、もしかしたら再会ではなく、新たな出会いだったのかもしれませんね。

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そのお店の方といろいろとコーヒーについて話す中で、牧下さんは自分が「酸味の強いコーヒーは好みじゃない。」ということを話したのだそうです。すると、お店の人が最終的に1杯コーヒーを淹れてくれたそう。それを「おいしい!」と思ったことをお店の人に伝えると、なんとそのコーヒーは、どちらかというと牧下さんが好まない「酸味の強い」タイプのコーヒーだったのです。この事実に衝撃を受けた牧下さん、この日からコーヒーに対する考え方が変わっちゃいました。

「自分が知らないだけで、コーヒーはおいしいものなんだ。そう思ってもっと知りたいと思うようになり、おいしいコーヒーを追求したいと考えるようになった。」

そんな風に、コーヒーへの飽くなき情熱を語ってくれました。

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■「焙煎」との出会い

以来、おいしいコーヒーを追求する日々を送っていた牧下さん。独学で研究していくうちに、一度先達に指導を仰ごうと考え、ある私塾に通ったそうです。老舗のコーヒー豆を卸している企業による私塾で出会ったのが「焙煎」という工程。

「えっ!?自分が焙煎するの!?こんな巨大な機械を使って!?」

自分が豆を焙煎するなんてことを考えたこともなかったため、とても驚いたそうです。その次の驚きが、「焙煎したらコーヒーがめちゃめちゃウマイ!」というもの。さらに焙煎の面白さを知り、焙煎によって豆の良さを引き出せることや味の傾向を大きく変えることができるということがわかったと言います。

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■『ditto』誕生

焙煎に挑み始めた頃から、月5~6キロもの豆を焙煎しているという牧下さん。コーヒー1杯12gの豆を使うことを考えても、当然飲み切ることができない量です。最初は、焙煎の研究を重ねる上で大量に生産されるおいしい焙煎豆を友人知人に配り始めたのだそうです。

そこから、世間で正当に評価してもらえるように値段をつけることに決めたことを機に、豆の焙煎や商品としてのクオリティを安定させ、趣味の範囲を超えてきちんと売れるものを目指して行こう考え、『ditto』というブランドが誕生しました。

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先述の運命的なコーヒーとの出会い、数々の驚き、気づきを経る中で生まれた『ditto』は、今年で3年目。“ditto”とは、英語で相手が言ったことに対して「私も同じく」、「同上」などと言いたい時に使う口語表現です。「同上」=「同じことを続ける」という意味を込めつつ、もしかしたら同じように見えるかもしれないけど、もしかしたら進化してるかもしれないという裏の意味も込めているとのこと。また、同じ言葉を繰り返す時に使う日本語の「〃」の形がコーヒーを淹れるときのぽたぽたと落ちるしずくの象形的なイメージも含んでいるそうです。さすがデザイナー的発想。

■『ditto』のコーヒーのお味は?

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焙煎したコーヒー豆は新鮮であることが大切だということで、今回特別に焙煎したばかりの豆で中深煎りのブレンドと深煎りのタンザニアの2種類を淹れてくださいました。『ditto』のコーヒーは、濃いわけではないけれど、舌触りやとろっとしていて甘みがあるのが特徴だそうです。中深煎りも深煎りもどちらもとても香りが良くて、嫌な渋みや苦みもなく、さらりと飲めてとてもおいしく、普段私が飲んでいるコーヒーとは全く違うと感じました。私は渋みや苦みが強いものが苦手なので、深煎りは苦いのかなと思ったのですが、決してそんなことはなく、どちらかというと深煎りの方が好みでした。牧下さん曰く、日本人の感覚に合う味と供し方を追求する中で、近年の日本の欧米的なコーヒーブーム、カフェブームよりは、古き良き日本の喫茶文化で育まれたコーヒーが適しているのではないかとの考えに行きついたそうです。日本人の口には深煎りが好まれる傾向にあるのではないかと。もちろん、欧米のコーヒーカルチャーが悪いとかそういう話ではなく、好みのお話です。そもそもコーヒーは日本で生まれたものではないですし、日本の喫茶文化の中で、日本ならではの発展を遂げてきたコーヒーに注目しているそうです。

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豆が新鮮であることも大切ですが、淹れ方でも味が変わるそうで、ドリップという淹れ方に合うように焙煎されているため、淹れ方も楽しみの一つなのだとか!焙煎する豆の選定も、ドリップした後の一杯のコーヒーをイメージして選んでいるそうです。見えているゴールに到達するためには何が必要か。そんなことを考えながら選びます。牧下さんとしては、うんちくを並べて「うちのコーヒーはこうあるべき!」と人に説くようなものではなく、リラックスして本などを読みながら飲んで「おいしかったな。なくなっちゃった。また飲みたいな。」と思えるようなコーヒーでありたいと考えているそうです。常に日常に寄り添っていたいもの。それが目指しているところだと言います。

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気になる『ditto』の豆を手に入れるには、ウェブサイトからお問い合わせください。タイミングが良ければ焙煎したてのものを手に入れることができるかも!富ヶ谷周辺地域では、以前”土鍋ご飯”を紹介した『TANA diner』で『ditto』の豆を使った自家製コーヒー焼酎が飲めますよ!

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最近では、不定期ながらPOP UP STOREやワークショップの開催など、活動の幅を広げていらっしゃいます。その情報については、インスタグラムやフェイスブックで発信していますので、要チェックです!

ちなみに、次回の焙煎は5月12日!

牧下さん、ありがとうございました!

dittoウェブサイト
http://ditto.jp/

facebook
http://facebook.com/dittoCoffee

Instagram
https://www.instagram.com/ditto_tokyo/

取材/文:hazuki
撮影協力:Velostyle Ticket Shibuya

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